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日記超。-改・弐-

  : 

自転車だったりマラソンだったりトライアスロンだったりお酒だったり。

2023Jun18Sun

【88時間43分】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-11【ようやくゴール】 

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ゴール前最後のPCであるDreux(ドル―)では
「レストランでパリブレストを食べられる。」と先人から聞いていた。
往路のブーランジェリーでたまたまいただいたので
往路、復路で本場のパリブレストをいただくことになった。
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07・◆08・◆09・◆10・◆11・◆Ex

<実走行ログ-8/8(再掲)>

食事を終え、まきよさんたちと別行動を取ってPC内をうろうろ。
軽く仮眠出来そうな場所を探したけれど、お祭り騒ぎのような会場なのでなかなか静かな場所が無い。(やはり仮眠所でしっかり寝たほうが良かったか?)なんぞと考えながら歩いていたら、PC外休憩所以来の遭遇となるいぢちさんとばったり。
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いぢちさん
二言三言会話を交わして各々逆方向へ。

建物脇で日当たりの良いところに丁度良いベンチを見つけたのでアイマスクと耳栓を装着して横になって小一時間ほどまどろんでから起きだし、残り200kmへ出発しようと自転車に近寄る。
駐輪スペースに移動し、ふと気になったことがあって後輪を持ち上げて空転させてみたら…リアホイールがブレブレでぐにゃぐにゃしていてアーチ全開放にしているのにガシガシブレーキシューに擦っているし。その時ようやく、走行中横に並んだ外国人参加者が手のひらをひらひらさせながらわたしに話しかけて来た理由が腑に落ちた。(いやはや、こんな状態ではペースが思うように上がらないのは当たり前だわ。)蓄積疲労からペースが上がらなくなっていると思い込んでいたけれど、少なくとも原因はそれだけではなかった訳だ。

(やはり夜間走行中に耳にした金属音はスポーク破断のそれだったのか?)
後輪をゆっくり空転させ、スポークの状況を確認してみたものの、何周回しても折れたものが見つからないので手で触ってスポークのテンションを確認してみたら、一本だけぐらぐらしていたものに気がついたけれど目視では異常が確認できない。テンション調整のためにツール缶からニップル回しを引っ張り出すべきか否か少々逡巡したけれど、折角なので振れ取りも含めてプロに整備をお願いしようと考え直してメカニックのところに移動しようとしたところではるさんが通りかかった。
はる:今到着ですか?
とり:二時間くらい前に着いて仮眠してリスタートしようと思っていたところ。
はる:順調ですね~。
とり:いやあ、それがさあ、後輪こんなんなのよ。
と、空転させてブレブレになる後輪を見せる。
はる:こりゃ大変ですね。スポークですか?
とり:どうもニップルが緩んでいるみたいなんだよね。折角だからメカニックサービスのところに持って行って締め直してもらってから出るよ。
はる:じゃあ、ボクはこれから休憩します。
とり:ゴールで!
はる:ゴールで!

メカニックサービスコーナーに移動して順番待ち。
メカニックは2、3人いたものの英語話者は一人だけのようで、フランス語ができるかどうか聞かれたので否定すると”ちょっと待ってて!”と待機するよう促された。
まあ、英語だってロクにできないけれどな。
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順番待ち

20分ほど経過したところでこちらの番が回って来たので担当者に症状を伝える。とはいえ言葉はほとんど使わず、後輪を浮かせて空転させた後にぐらついているスポークを示したくらい。
もちろん先方はそれで症状を理解して調整をするためハンガーに自転車を引っ掛け、ニップル回しを取り出して調整を始めた。
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メカニックサービステントのバイクハンガー

暫く調整をしていたけれど、首を振りながらこちらに向き直ってスポークのニップル部分を指差し何やらあれこれ説明し始めた。どうやらニップルのねじ山がバカになってしまっているのでニップルごとスポークを交換しなければならないとのこと。本来調整作業は無償サービスで、テント内に置かれたボックスに寸志を投入するスタイルだったけれどスポークの実費と工賃で€300-かかるとのことだったので了承して修理を依頼。
それ以前に€100-を箱に突っ込んでいたので都合€400-支払うことになってしまったけれど、走れなければお話にならないのでそこでセコいことを言い始めても仕方がない。

メカニックさんが近くにいた彼の息子と思しき少年二人にお金を渡して近くのパーツ屋台でスポークを調達してくるよう指示して、わたしの後ろに並んでいた参加者の自転車の整備に取り掛かった。”まだしばらくかかりそうだから休憩してくるかい?”的なことを言われたけれど、休憩は既に終わっているので整備が完了したらリスタートしたい旨をつたない英語で伝えてその場に留まったけれど、後から考えた時に(あの時もう一回休憩しておけば良かった!)と思うくらいに最終的には時間がかかってしまった。

メカニック氏は戻って来た息子さんたちにわたしの自転車のリアホイールを取り外し、タイヤ、チューブ、リムテープを外してスポーク交換するよう指示してから(※息子氏のその後の行動で判断)しかかりの整備を進め、完了させた。
息子さんたちが作業を続けている間、簡単な整備を更に2件ほどこなし、彼らがスポーク交換を終了させて降れ取り台で四苦八苦していたところでようやく交代。最終調整をしてタイヤを復旧し、フレームに後輪を装着。それでも多少の歪みが残っているようで、空転させるとややうねるような動きを見せる後輪を指して”今はこれで調整限界だよ?”的な説明。ブレーキシューに接触するような振れではないので了解して受け取り、ようやくメカニックテントから出たのは並び始めてから一時間半から二時間弱ほどが経過した頃。

やや日が傾き始めた中リスタート。
気持ちの問題もあるのだろうけれど心なしかペダリングがスムーズで気分が良い。夕暮れ時の田園地帯を淡々と進む。日が落ちて気温が下がって来たものの、前夜ほどには冷え込みを感じない。Edgeの画面に表示される気温も前夜よりかなり高めだったので防寒にレインウェアを着込むほどではなく、アームカバー装着程度で遣り過ごせる程度。
寒さは感じなかったものの、眠気は非常に感じてしまってかなりふらつき始めてしまったので小さな私設エイドに立ち寄って温かいコーヒーをすすり、ストレッチをして眠気を散らせてからリスタート。ところがしばらく走ったところで再び睡魔が。次のPCまで20kmほどのところ、マメール(Mamers)という大きな街の中心部に設営されたでかなり大規模な私設(というか非公式)エイドに立ち寄って再びコーヒーを飲み、隅っこに腰掛けて少々のんびりしていたところで若い日本人男性参加者が声をかけて来た。
夕方到着して仮眠していたら辺りが真っ暗になってからお祭り騒ぎが始まっていて驚いたというようなことを語っていた。最終日の前夜なので盛り上がるのだろうなあ。
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非公式エイドで二度目の休憩

ヴィレンヌ=ラ=ジュエルからモンテニュー=オ=ペルシェまでの80kmほどの距離の間で二回も休憩を入れているくらいには眠かった。軽くうとうとしてからリスタート。さっきの青年は見当たらなかったのでこちらがうとうとしている間にリスタートして行ったか。

相変わらず少々眠いものの、どうにかこうにか約20kmを走り切ってPCに到着。
Control(1093.5km)
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Mortagne-au-Perche

仮眠とスポーク交換、途中の非公式エイド二回立ち寄りがあったためかなりマージンを食い潰してしまってクローズ時刻まで30分を少々切ったくらい。それでも次のPCまで77kmでクローズまで6時間45分あるので11.4KPHで間に合う。15KPHで走れば一時間半以上余裕を持って到着できるのでこのPCで仮眠してから進むことにした。軽く補給の後レストランのテーブルに伏して一時間ほど寝るつもりで目を閉じた。
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皆さんお疲れ状態

疲労のため、ざわついた中でもそこそこぐっすり寝てしまって一時間のつもりがふと気づけば二時間になろうとしていた。仮眠の長さは一時間弱くらいで切り上げるか三時間くらいガッツリ寝るかが個人的には良いようで、二時間という中途半端な長さの睡眠が一番休まらない。とはいえのんびりしていると次のPCを延着することにもなりかねないのでそこそこ慌ててリスタート。

走りながらもやはりどうにもすっきりしない感じがして困った。というようなことを考えながら走っていたら前方にAJ反射ベストを着用した参加者の後姿が見えたので追い付いてパスしようとしたところで”お疲れ様!”と声をかけてみたら数時間ぶりのまきよさんだった。”ちょっと眠いので眠気散らしに一緒に走ってもらって良いですか?”こちらも今ひとつすっきりしない状態だったので快諾し、以後再びあれこれお話しながらの走行。途中、会話をしながらも無意識に左側車線を走っていて正面から近づいてきた自動車のヘッドライトに照らされて慌てて右車線に戻るひと幕も。疲れてくると脳が働きを止めてしまって身体が覚えている通りに動いてしまうので非常に危険。

そんなこんなでしばらく走っていたところ、緩い下り坂で集団のテールランプに付いて走っていたら、前方から数十台の自転車の集団がこちらに向かって走って来た。周辺が真っ暗な深夜の時間帯に一体何が?と思ったけれど、わたしたちの少し前方を走っていた人たちがUターンをし始めたところでGPSの表示を確認してみたら脇道に入るべきところをそのままミスコースしてまっすぐ進んでいたのであった。(ランタンルージュがキレイ♪)なんぞと呆けていると思わぬところで落とし穴がある。
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前走者に任せっぱなしだと、時にしくじるのは洋の東西問わず

徐々に空が白んできて周囲が明るくなって来たところで亀太郎のすーさんに追い付いた。
ランドナーに乗ってヘルメット無しのキャップスタイルで、ファッションと相まって古き良き時代のツーリストといった体。PBPではヘルメット装着義務は無いのでノーヘルでも問題ないので割り切ったファッションでの走行もアリ。
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最終日の夜明け前

三人であれこれ会話しながら走行。
今回のPBPに合わせてデザイン、制作されたAJオリジナルの反射ベストは後方からの見え方が非常に特徴的だったので、後方から追い付き、パスする際には日本語で”お疲れ様!”と声をかけていたけれど大部分の参加者は単にこちらを一瞥するだけなのでなかなか寂しいというような話をわたしがしたら非常に盛り上がってしまった。日本人全参加者のうちわたしが知っているのはおそらく一割かせいぜい二割程度だったからということもあったのだろうし、こちらは好きで勝手に声を掛けているだけだからそれに応えることを強要するのはいわば好意の押し付けになるので控えるけれど、”わざわざ日本を離れて異国を走っているのに、特に知り合いでもないヤツから日本語で話しかけられるのは勘弁!”とか考える人も中にはいるのだろうなあと。その心情もわからなくはない。

すっかり明るくなったところでゴール前最後のPCに到着。
ここからゴールまでは45km弱。
Control(1,171.0km)
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Dreux

まきよさん、すーさんと共に食堂へ。ACP公式のPCで唯一パリブレストが食べられるのがゴールひとつ手前のここなのだと出国前にPBPの諸先輩から伺っていたので満を持して購入。
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パリブレスト食べるよ~~~。
パリブレストを食べ終わり、諸々準備を整えてリスタート。
連絡が上手くいかずにまきよさんたちとは別行動になってしまい、単独でゴールに向かう。
ランブイエに向かう最後の区間は田園地帯を進むのはそれまで通りだったもののアップダウンは少なく、非常に走りやすい単調な道だった。
いくつかのトレインを乗り継いで、のんびり走ってようやくランブイエ城へ。
スタートでもおっかなびっくりだった石畳の道を進み、ゴール直前で一旦脇に入らされる。前日受付の際参加賞他を受け取った建物のある広場をぐるっと一周。競馬場のパドック的な回り方をする。
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台湾のHanaさんに撮っていただいた

そしていよいよゴール。
受付は前日車検、スタート当日食堂だった大型テントで、1/4がゴール受付エリア、3/4が食堂となっていた。
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ラックに自転車をかけて受付へ

Goal(1,215.0km)
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Rambouillet
認定タイムは88時間43分

食堂に移動したらまきよさんとも合流できたのであれこれお話しつつ。
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食堂で軽く食事

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いぢちさん発見
食堂を出たら丁度見知った日本人参加者が集まっていたのでそちらに合流し、お互いの労をねぎらったりしつつあれこれと会話を交わした。

ゴール後のお話が少々続く。
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2023Jun18Sun

【PBPって】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-10【1,000kmだっけ?】 

PBP2019_046.jpg
復路アンブリエールという街の
ヴァレンヌ川のほとりにあるカフェで
マンゴーとバニラのジェラートを
この日は非常に気温が上がったので
これとオランジーナが嬉しかった。

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<実走行ログ:8/8>

(グロス18KPHで押せれば次のPCでマージンが2.5時間発生するはず。)という、なかなかに自身を過信したゆるゆるな見通しを立てて二時間仮眠した後リスタート。
スタート時点でスタッフから”この寒いのに半パンとかマジか!?”と言われたものの、日が差して来たら一気に温かくなって来た。ずっと東に向かって走っているので朝日がまぶしい。

PCリスタート後、15分くらい走ったところで生郎さんに追い付いた。はるさんとかPEKOさんとは別行動になったらしい。彼はわたしより結構後ろの方のグループだったのでのんびりゆるゆる走るとのことだった。
とり:オレさ!18キロで押して行かないと次のPCタイムアウトなんだよね!!
生郎:あ~~~。次の次で間に合えばとは言ってもね~~~。
とり:そうそう、借金背負っていると気持ち的にもちょっとアレなんで先に行くよ!!
生郎:はいは~い、お気をつけて!
こちらは結構ギリギリだったので先行する旨伝えて単独で前に出る。

それにしてもグロス18kphという設定は果たしてこの終盤に差し掛かったタイミングで正しかったのか。コースは相変わらず大きな緩い登りと大きな緩い下りの組み合わせ踏んでも踏んでもあまりペースが上がっている気がしない。
暫くそんな感じで悶々と走っていると、後方から来た結構な人数の集団に呑まれ、じりじりとパスされていったが、その集団の真ん中より若干後ろの辺りに見覚えのあるピンクの「いちごオレジャージ」のばんばんさんの姿が。
”このトレイン、速くて走りやすいから乗った方が良いよ!”
その言葉に促されて彼女の右後方に付く形でグループに紛れ込む。確かに速いけれど速すぎるほどでもなく走りやすいので安定してペースを上げられる。
時々会話を交わしながらしばらくそのまま快適な集団の中ほどを進んでいたけれど、とある街に差し掛かったところでばんばんさんは教会方面に向けて離脱。
コンビニが無い代わりにあちこちの街の教会にはほぼ必ず公衆トイレがあって、しかも当たり前ながらどこも清潔なので非常にありがたい。とはいえ教会のトイレであっても便座のあるものはついぞ見かけたことはないけれど。

明るい日差しのもと、しばらくは単独で大編成のトレインを継続利用。
すると一人の参加者が近寄って来てわたしに向かって手のひらをひらひらさせながら、指で輪を作ったりしながら何かを訴えてきていたけれどスピードがどうこうという話しか聞き取れず、とりあえずサムアップして返してみた。が、その時点で気が付いていたら終盤もうちょっと楽に走れていたのかもなあという気にはなった。まあこれはあと知恵。

そんなこんなでようやくPCに到着。
Control
PBP2019_035.jpg
FOUGFRES(920.0km)
ここでキューシートを確認してみたらマージンはたった7分しかなかった。
それでも借金覚悟で走っていたのでマージンができるかできないかは精神的に非常に大きな違いとなる。次のPCに延着しても良いかどうかということは精神的な負担を大きく左右する。

この時点で眠気は全く感じていないので、この先はマージンが稼げるとホッと一息。
気持ちが軽くなれば腹も減る…という訳でレストランへ。
腹が減った状態であれもこれも…。と取っていたら結構な量になっており、会計の際レジ係の女性スタッフが一瞥をくれた瞬間に”Oh!”とかなんとか言ってちょっと驚いていた。
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がっつり補給

補給を済ませたので身体を軽量化してからリスタートしようと考えてトイレに行ってみたらここにはなんと便座があるトイレがあったのである。
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フランスでホテル以外で初めて見た

日差しが強くなってきてかなり気温が上がって来たので暑熱対策用装備の確認。
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強い味方の心の友

休憩ロスも少なかったのでかなり落ち着いてリスタート。相変わらず畑と丘陵地帯が続く中淡々としたペースで進む。時折後方から追い付いて来るトレインのペースを推し量りながら脚に合いそうならご一緒させていただいたり。
三時間ほど走ってちょっとにぎやかな市域に入り、道がやや下って左折して橋を渡って右折して先に進むクランク状になった道の角の広場に多数の自転車が停まっていて参加者がジュースやコーヒーを飲んでいるのが目に付いた。
かなり暑かったので休憩しようとわたしも自転車を停めて角のカフェへ。
J.png
Le Relais de la Varenne

ジェラートとドリンクを購入して歩道側のテラス席でのんびりいただく。
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マンゴーとバニラのジェラート&オランジーナ(L)
しばらくのんびりしていたところに、日本国内の遠征ブルべで時々ご一緒する関西のまきよさんがお越しになって一緒にあれこれお話しつつ休憩。今回は単独でのご参加とのことだけれど、既にご主人とのタンデムを含めて過去二回PBPを完走していらっしゃるベテランランドヌーズである。

休憩を終えリスタート。
次のPCまでまきよさんにとご一緒させていただくことに。距離は約40km。
無理にペースは上げずにあれこれ会話をしながら。
これが三回目のPBP参加だというまきよさんに対し、コースがつまらなくて非常に辟易とさせられていたわたしがどうすれば何度も走ろうという気になるのか、モチベーション維持のコツを問うてみたり。

とり:今回初めてPBPに参加してみましたけれど、これってコースつまらなくないですか?延々おんなじ景色の繰り返しだし、スタートして300kmくらいで飽きちゃいましたよ。良く二回も三回も走るモチベーション維持できますよね。
まきよ:ん~~~。つまらないですか?わたし、毎回すごく楽しいですよ。日本でも海外でも、これほどたくさんの人が集まるブルべなんか他に無いですもん。コース自体というより全体の空気や空間を楽しんでます。よその国に走りに行ったときお世話になったスタッフが一緒に走っていたりするんですよ、すごく楽しい!

なるほど深い。
コース云々よりもイベントとしての空気や場そのものを楽しむというのはなんとなくわかる。特に復路で感じる沿道の応援の盛り上がりにも「四年に一度の祭り」という雰囲気を感じるし。海外クラブのスタッフが~というあたりに海外ブルべ参加経験の多い彼女ならではの感覚も感じる。
彼女の経験に基づく色々なお話を聞かせていただけたのも収穫。

まきよ:ヨーロッパ勢とかアメリカ勢なんかの男子は走行タイムを気にする人は90時間じゃエントリーしないんですよ。90時間でエントリーしたということは完走が前提で、女子をエスコートするとかグループでわいわいやるとか、そういう感覚の人が多いんです。あ、ほら。いま追い越して行ったグループ、アレはシアトルのクラブですけれど、中心に女子を置いて男性が周りを固めてるの。
丁度15名ほどの青いチームジャージの集団がわたしたちをパスして行った。
とり:なるほど~。日本ではあんまり考えられないですね。みんなバラバラで走っちゃう。

400人からの参加者がいるのに日本人は日本人としてグループを形成して走るということをしない。PBPでの完走率が六割を切ってしまっているのもその辺が原因だろうとは思えるけれど、日本国内の道路事情や法的拘束が普段からグループライドを行えるような状況ではないことも大きいのだろう。

二時間半ほど走ったところでPCに到着。距離は丁度1,000kmとなる街、ヴィレンヌン=ラ=ジュエルである。
なんか人出がものすごく、音楽なんかも流されていてお祭り気分最高潮。ゲートを潜るたびにMCが大きな声で呼びかけてきてくれたり、沿道の観客が盛大に拍手してくれたり、まるでここがゴールなのではないかといった感じの盛り上がり
Control(1,012km)
PBP2019_045.jpg
VILLAINES-la-JUHEL

まきよさんのお知り合いの日本人とブラジル人も一緒にレストランへ。
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レストランも空間が広くにぎやか
帰国後伺ったひらまつカントク情報ではこのレストランで女児のサーブを受けられたらしいが残念ながらタイミング的にダメだった。

ここでまきよさんたちとは別行動。
仮眠施設もあったのだけれどそれほど眠くも無いので屋外のベンチに転がって日向ぼっこしながら仮眠。

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2023May24Wed

【アクシデントは】2019年総括-02【下半期に】 

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まあ今年はPBPでフレーム破損したりしたけれど
やっぱりこれが一番のアレ(笑)
いい加減しっかりしましょうよ
オトナなんだから。

【2019/Jul.】
◆BRM713宮城1000女川龍飛:気付き前気付き後
190713a09.jpg190713G.png
丁度一か月前なので「PBP参加前の脚慣らし」的な意味合いでエントリーした1000kmのBRM。
脚慣らしどころかなかなかどうして厳しいコースだった訳であるが、どうにかこうにか制限時間内にゴールに辿り着けた。午後から出社しなければならない事情があったのでゴール後即東北新幹線に乗り込んで帰京したのだけれど、その時点ではあんな落とし穴があるとは思わなかったのである。(「脚慣らし」ではなく「厄落とし」になってくれたら幸い。)と、その時は思っていた。

【2019/Aug.】
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かつて在籍していた会社での業務で約一年間暮らし、その時に知り合った人との付き合いでその後数年間ほぼ毎年遊びに行っていたおかげで相当なじみ深い地となった青森。この時点では確定していなかったものの、自らが考えた「遠征200ブルべ」開催の下見的な意味合いも兼ねた津軽半島一周ライド。

19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur(2019/08/16-25)
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言わずと知れた四年に一度の「ランドヌール(ズ)のお祭り」
今回は参加総数約6,800人、日本人参加者数約380人という、各々史上最大規模のもの。
出国時から帰国時に至るまであれこれアクシデントやらトラブルやらといったイベント続きであった。ブルべデビュー前に購入し、人生初ブルべを共にした相棒三太夫(PINALLERO-FP3)は彼の地で天寿を全うすることになった。今までありがとう!
因みに走行レポートは多分あと2、3エントリを残した状態で未完のままであるので最後までまとめてしまいたいもの。

【2019/Sep.】
SR600_Oirase(2019/09/14-17)
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今年からの新コース二つの内ひとつ。
前述の通り個人的に非常になじみ深い青森の地を走るSR600で、コースの大部分は自転車もしくは自動車での走行経験があるのでイメージを掴みやすかったため、一番乗りでエントリー。
最後雨に降られてしまったものの概ね天候に恵まれ無事完走し、めでたく「認定第一号」の栄誉に浴することになりました。フランスから帰国直後に購入したジェームスくん(JAMIS_RENEGADE)のブルべデビュー戦。

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200とはいえSR600_Oiraseから一週間というスケジューリングはなかなか厳しかった。
昨年は台風接近のため出走はわたし含め五名。
全員完走できたもののわたしひとり途中のPC延着で認定外となってしまった因縁の箱根200に再び挑み、今年は無事完走の運びとなりました。

諏訪五蔵巡り都内ポタ(2019/09/28-29)
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1.みいさんプロデュースで長野まで。
メンバーはみいさんの他リュウさん、サクマさん、虫さん、クロさんに加えてわたしというお酒大好きっこな構成。みいさんおすすめのパン屋さんで腹ごしらえしてから諏訪の蔵をハシゴしながらそぞろ歩き。最後の最後に中央線特急が特急料金が払い戻されるレベルで大幅に遅延するというオチがあったものの非常に楽しい休日。
2.翌日曜日、都内をうろついてから船橋まで足を延ばし、BRM928たまがわ600那須のゴール受付の陣中見舞い。ジェームスくんを購入する際ショップに同行したモロさん”あれってあんなに重かったでしたっけ?”と驚かれるなど。

【2019/Oct.】
日帰り帰省ライド(2019/10/05)
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実家母と直接会話しなければならないこまごました事情が生じたので日帰りで千葉県柏市の実家へ。復路で手賀沼に足を延ばし、地元在住で小中学校の後輩であるりりさんと軽くサイクリングロードを流して帰宅。往復120kmくらいのゆるポタ。

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本年最後のブルべはAJ神奈川さんにお邪魔させていただきました。
同日に自身が籍を置くAJたまがわでも300のBRMが開催されたのだけれど、今年は「ブルべ中に富士山を拝めなかった」ということが心に引っ掛かっていて、ラストチャンスのこれに賭けてみたと。なかなかキレイな富士山を眺められて非常に満足です。

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伊豆300を完走して、ゴール地点の大船から自走で帰宅してシャワーを浴びて着替えてそのままさいたま新都心に向かってモロさんの場所取りに合流。
朝からビールを飲み、レース本番はスタート直後とゴール直前以外寝て過ごしたというなかなかステキな休日の過ごし方ではあった。
お天気に恵まれて良かった良かった。

【2019/Nov.】
真鶴・箱根ポタ(2019/11/02)
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直前まで天候不順が危ぶまれた天気予報をもとに判断をして箱根200の出走回避を決めた虫さん、クロさん二人が、コースに含まれている真鶴半島をまだ走ったことが無いということで、スケジュールが空いていたわたし、サクマさん、藤井さんが一緒になってコースをトレースして走ってみようというコンセプト。コースのトレースは芦ノ湖まででおしまいで、そこから先はパン活して箱根旧道を下って小田原駅から輪行で解散。

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Oiraseに続く今年二本目のSR600は紀伊山地。
そこそこ標高はあるものの緯度が低めなので11月でも走れるのがこのコースの売り(?)のひとつ。
ブルべデビュー以来九年目にして初めて単独参加ブルべにおいて途中宿泊の手配を行ったという個人的にエポックメイキングなブルべとなった上、PCをひとつすっ飛ばしてしまったため約50km、積算標高1700mのオプショナルライドもあったりして、いろいろ盛り沢山ではあった。

【2019/Dec.】
猫娘御朱印ポタ(2019/12/01)
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一年の内「ゲゲゲ忌」の期間だけいただけるという「猫娘があしらわれた御朱印」をいただくために多摩川沿いをのんびり遡上して調布まで行って帰ったポタ。

六義園ライトアップ(2019/12/05)
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昨年は開催日程を勘違いして覚えていた六義園のライトアップ。
今年は仕事帰りに立ち寄れて非常に満足した夜だった。

AJたまがわ大忘年会(2019/12/07-08)
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毎年恒例AJたまがわ大忘年会。
今年もmomさんにお車をご提供いただき、不詳ワタクシめが運転。
当然ながら自転車にはいちミリたりとも乗っていない。

AJ千葉忘年会(2019/12/14-15)
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非常に強い風にさいなまれながらもアリランラーメンを味わい、今まで知らなかった素掘りトンネルを堪能し、宴会を楽しみ、翌日もピネキだったり住吉飯店のえびそばだったり、房総を堪能しまくった二日間。

新車筆おろしライド(2019/12/21)
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渡仏前に発注していたニュー・マシンが納車されたので浮かれ切って横須賀まで。その後逗子経由で都内を北上して東長崎マダナイでお茶して帰って150キロ。

年内まだもうちょいあってFestive500チャレンジするつもりでいたりしますが今のところ今年の振り返りはこんなところ。
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2023Jun18Sun

【時間に追われた】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-09【復路中盤】 

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非PC、非通過チェックである「食事ポイント」ケディヤック
往路も復路もここに立ち寄ったけれど
特に復路でいただいたこの
「フランス風肉じゃが」とでもいうような料理が
非常に美味しくて、個人的には今回のNo.1である。

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07・◆08・◆09・◆10・◆11・◆Ex

<実走行ログ:7/8>

「軽く」食事を済ませてカレ=プルゲールをリスタート。
日が落ちて真っ暗になった道を淡々と進む。
タイミング的なものだろうけれど、往路でも復路でもずっと見えていた前を走る参加者のテールランプが連なって一本の鎖のように見える「ランタンルージュ」が見えなかった区間。若干参加者密度が低かったようである。
そんな時畑の中でスタッフと思しき数名が道の分岐点で誘導をしていた。畑の真ん中でミスコースしやすい分岐なのだろう。

分岐を過ぎると辺りは真っ暗な森のなか。
先述の通り前後に参加者がいないタイミングになってしまったので非常に寂しい山道を単独で進む。路面状況も良く見えない、道幅の狭いアップダウンが多い道なのでおっかなびっくりの走行になった。途中、小さな集落があったものの基本的には「林道」の雰囲気があふれる区間。後日聞いたところによると過去の開催ではチコリンさんがあわや行方不明!という事態が発生したそうである。
市街地に近づくとようやく他の参加者の姿が見られるようになったのでホッとした。そんなこんなでルデアックのコントロールに到着。クローズまでのマージンは約90分。

Control
PBP2019_031.jpg
LOUDEAC(779.5km)
往路では仮眠を取ったところだったし着っぱなしだったウェア類も交換したかったので休んでおこうかとも考えたけれど、まだ眠気が強くなかったのとマージンをもう少し拡大させてから休みたいとの思いから食事だけでリスタートすることに。
この判断が少々甘かったというのは結果論。

PBP2019_028.jpg
夜遅かったので(今度こそ)軽め
いや、さっきのも十分軽かったのですけれどね!

PBP2019_033.jpg
あちこちのPCで見かけた「転がっている参加者」
まるでモルグか野戦病院か。

休憩もそこそこにリスタート。
小一時間ほど走った先に教会があったので公衆トイレをお借りしてルデアックでできなかった着替えを済ませようと、敷地裏手のトイレにお邪魔。
T1.jpg
プルミューという街の教会
残念ながら夜間は照明が点かない仕様になっていたようなのでヘルメットに取り付けたヘッドライトで個室内を照らしてもぞもぞと。一通り全身をアルコールシートで拭いたのちキレイなウェアに着替えてさっぱり。今回は前日受付以外ほとんど雨に降られていないのが幸いであった。

この時点での気温はGarmin読みで5℃ほどだったけれど、湿度が低いせいか寝不足が影響してなのか、かなり肌寒さを感じたのでレインジャケットを引っ張り出して着込んだ。今回のためにわざわざ新調したレインジャケットだったけれど、結局この夜しか使用する機会が無かったし、シューズカバーはもう少し冷えてからと思ったら最終的に出番が無かった。
教会をリスタートして1kmほど進んだところで小さな私設エイド。
民家の入り口でおばちゃんたちがコーヒーやお菓子を供してくれていた。
PBP2019_034.jpg
冷えて来たのでホットコーヒーが沁みる
ここから先はかなりペースが落ちてしまい、途中で眠気を感じてしまって停止することもしばしば。
メネアックという街のかなり大きな私設エイドに立ち寄ったりしたけれど、眠気覚ましにコーヒーをすすって呆けていたので画像も残っていない。ここで若い日本人参加者の男性と軽く雑談したのは覚えている。

単独でリスタートしてしばらく進んでいたところ、緩く長い登り坂をえっちらおっちら進んでいたらいきなりパキン!!と乾いた音が響き、後輪の動きが重くなった。
久し振りながら決して聞きたいとは思わなかったその音の原因は当然スポーク折れだと判断して停車して、ライトで照らしながら後輪を確認するが何度空転させて確認してもどのスポークにも折れた形跡がない。
それでも多少ホイールが振れてブレーキシューに接触しているような感じがあったので念のために後輪のブレーキアーチを全開にしてリスタート。走行中に後輪の様子を見ても確かに多少の振れはあるものの特に大きなものでは無さそうだったので気にせず進んだ。

後から考えたらどこかでまとまった休憩を取るべきだった。この時は次の食事ポイントで大休止するつもりだったので無理やり進んだけれど、振り返ってみればそれが戦略ミスなのであった。まあ、そもそも事前のコースチェックをほとんどやらない「ぶっつけ本番スタイル」で臨んだので当然の帰結と言えばそれまでではあるけれど、眠気のほかにも大きな減速要因があったのは後に判明する。

そんなこんなで休憩所到着。
ここでしっかり食べて仮眠しようと思ったものの、ここに来るまでの短時間停車や私設エイド立ち寄りでマージンをすっかり食い潰してしまっていることが判明し、想像以上に余裕が無かったので食事を済ませたら即リスタートすることに。
Accueil
QUEDILLAC(839.5km)
食べて寝るつもりだったので結構豪勢。
PBP2019_037.jpgPBP2019_038.jpgPBP2019_039.jpg
この「フランス風肉じゃが」が非常に美味しかった
そしてPBP全区間を通して大抵のレストランで頼んだ「謎スープ」

食べ始めたら視界の隅で何やら動く気配がする。顔を上げたらこちらに向かって手を振っているいぢちさんの姿があったので軽く会話を交わす。
PBP2019_040.jpg
奇跡的なアングルで撮れたと評判の(笑)一枚
彼の方が後方グループスタートなので余裕がある。こちらは若干時間を気にしながらさっと食事を済ませてリスタート。

眠気が心配だったものの、PCまでは25kmちょい。
どうにかこうにか眠気を抑え込んでPCに到着。
Control
PBP2019_032.jpg
TINTENIAC(866.0km)
空が明るくなり始めて来たけれど、次のPCまでの距離(約55km)とクローズ時間を勘案するとこの時点でグロス10KPHで走れば間に合う。計算上はグロス18KPHで押せれば二時間半のマージンが生まれるので前後の準備等のバッファを考えて二時間ほど仮眠を取ることに。
仮眠所に行ったらドミトリーに案内された。階段を登って四階の奥の方の部屋。
記憶が曖昧ではあるけれど10メートル四方ほどの部屋の四方の角付近にベッドが四つとそれぞれにデスクと収納棚がある。わたしが案内されたのは窓側に二つあるベッドの、窓に向かって左側。
ふと、同じ窓際で反対側にあるベッドの方に目をやると、その脇にある椅子の背にAJたまがわの水色の長袖ジャージが掛けられていた。
(いぢちさんはオレより後ろにいるはずだし、このタイミングでここにいるのって誰だろう?)そんなことを思いつつもさっさとベッドに潜り込んだ。

ルデアック同様、あらかじめお願いしてあった時刻にスタッフが起こしに来てくれたので無事起床。起き上がって正面を向くと窓から差す朝日の中でベッドから半身を起こした元AJたまがわスタッフで、現在は米国在住の増森女史の姿があった。
他の二つのベッドではまだ参加者が寝ていたため声を出してあれこれ話す訳にもいかないので軽く会釈を交わしてから準備を整え、こちらが先に部屋を出た。
後から伺った話では彼女はこの時点でDNFを決めており、のんびり観光をして回ったらしい。

駐輪膿へ移動してリスタートしようとしたら、わたしの「半袖とビブショーツ」というスタイルを目にしたスタッフが”寒くないのか?”と、ここでも再び尋ねられた。さっきは参加者、こっちはスタッフである。”ノープロブレム!”と返すとクレイジーだのグレイトだの言いつつ笑っていたが、欧米人の方が寒さに強いと信じているわたし的には非常に解せない。

時間的には結構カツカツなので次の次でリカバーするつもりで次のPCは延着でも仕方がないと判断してすっかり明るくなったタンテニアックをリスタート。


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2023Jun18Sun

【出国以来の】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-08【べいさん遭遇】 

PBP2019_023.jpg
ひたすら緩いアップダウンのPBPにおけるコース最高地点
電波塔のある丘の上から電波塔を背にした眺め。
畑と牧場と教会と森がひたすら繰り返されたコースにおいて
最も気に入った景色と言って良い。

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<実走行ログ:6/8>

ブレストのコントロールをリスタートしていよいよ復路スタート。
”サンダルを落とした。”とツィートしたところHideさんから”コース沿いにあるブレストのスーパーでサンダルが1ユーロだった。”とリプライをいただいたのでその程度の金額なら使い捨てにしても惜しくはないと考え、コース沿いにあったスーパーマーケットに入ったものの置いてあったのは金額一桁違いの品ばかり。
よくよく考えてみたら往路と復路でブレスト市街地の抜け方が違うのだから、往路で「計画的DNF」をしたHideさんが示しているスーパーは往路沿いで、復路を走っているわたしが見つけられないのは当然なので諦めてリスタート。市街地走行なので参加者のペースがあまり上がらない状態で運よくはるさん、PEKOさん、生郎さん…の「ジンガイ三人組トレイン」に追い付いたのでしばらく後ろに付かせていただく。
PBP2019_022.jpg
ジンガイトレイン

しばらくは四人で走行していたものの、どうにも眠くなってきてしまった。
日が高く日差しも温かいので三人に声をかけて一人で離脱し、シジュンという街の入り口付近にあったモニュメントに自転車を立てかけ、耳栓とアイマスクを装着して芝生の上に寝転んだ。
小一時間ほどまどろんだところで目を覚まし、リスタートしようと起き上がって辺りを見回したら7~8人の外国人参加者(そもそもオレがフランスでは外国人だ)がうつぶせになって軽くバンザイをしているような体勢で寝転がっていたのでそのなんとも可愛らしいポーズを見て笑いが漏れそうになった。(なるほど、オレは背ポケの中のものを出して仰向けで寝ていたけれど、こういう寝方で身体が休まるならその方が手っ取り早いのか。)とは思ったものの、個人的には仰向けか横向きでないと寝付きが悪いのでひと手間かけても背ポケの中のものは出さないと。
rest01.jpgrest02.jpg
シジュン入り口のモニュメント
後日行政区画を確認してみたら市域はもっとずっと広いのでここは旧市街入り口になるようである。

緩やかな坂道を登っていくと例によって例のごとく丘のてっぺんには教会の尖塔が見えて来たけれど、その手前の右手のシャルル・ド・ゴール広場という場所に仮設の大型テントが張ってあって半ば公的な私設エイド(ちょっと表現が微妙だけれど、ACP公式ではないが自治体が運営していると思しきエイドの意)となっているようであった。寝起きだったので立ち寄り、地元の人がにこやかに供してくれるお菓子をつまんだりコーラを飲んだり。
テント下の休憩エリアのテーブルにはばんばんさんが突っ伏して寝ていた。しばらくしたら起きたので軽く挨拶してその場を離れ、近くの教会まで歩いて行って少々観光。公衆トイレが広くて清潔だったので利用させていただきテントに戻ってリスタートしようと思ったところでちょうどその場に到着したこーへーくんがいたので軽く言葉を交わしてこちらが先行でリスタート。

シジュンから先は約15kmにもなる淡々と続く長い登り坂。往路で気持ちよく下ったものの復路での登り返しを考えて辟易とさせられてしまった区間なのであった。
しばらく淡々と坂道を登っていると前方からミニサイズの日の丸の旗を付けた、明らかにそれとわかる強烈な「日本人アピール」をしながら下って来る一人の参加者。
羽田からパリまで一緒だったべいさんその人なのであった。彼のスタート時刻は90時間制限最終組の21時だったので、同じく90時間制限の最初の組だったわたしたちとはスタート地点でも遭遇することが無く、そのままゴールまで遭遇することなく終了してしまうかとも思っていたものの、1,200kmの行程中運良くスライドすることが出来るとは。
カレ=プルゲール到着前に”スポークが折れた。”という彼のツィートを目にしていたので心配していたけれど、DNFすることなく継続していたらしい。

ブレストから概ね50kmほどの地点だったので”650km付近でべいさんとスライドしたが元気そうだった。”とツィートをしたものの、冷静に日本でTLを眺めていた面々からは時間的にブレストに間に合わせるには少々厳しいのではないか?という声が上がっていたようである。
確かにわたし自身それほど時間に余裕が無い状態で走っていたのでべいさんとわたしがブレストから50kmの地点でスライド=べいさんがわたしから100kmのビハインドということを鑑みるとスタート自体は3.5時間しか開きが無かったのにその時刻でその距離では差が大きすぎる。その時はそんなことには考えも及ばずべいさんの無事を素直に喜んだのだけれど、結局ブレストで折り返しはしたものの彼は今回もDNFとなってしまったのであった。

再びえっちらおっちら坂道を登り、ようやくコース最高地点の電波塔の丘へ。
PBP2019_023.jpg
電波塔を背にした景色
遠くに湖らしき水面が見えるもののGoogleMapsでの表示は「エレ川」とだけなっているので人造湖だろうと思ってちょっと調べてみたらこの辺りはユン・エレと呼ばれる古くは泥炭の切り出しが盛んだった湿地帯のくぼ地で、現在ではエレ川の治水のために作られたサン=ミシェル貯水池がその地域の大部分を占めているのだそうである。やはり人造湖だったけれど残念ながらGoogleMapsでは名前を表示してくれない。
画像を拡大すると中央左寄りに1985年に稼働をやめたブレンニリス原子力発電所の建屋が見える。
相変わらずこんなこと(=この眺め「は」好き)をほたえつつ。

アップダウンがありつつも概ね下り基調の長い森林地帯の道を進む。サンダルを落とした道は走らずにひたすら幹線道路を進むのが寂しい。
そんなことを思いつつ進んでいるとなんとなく見覚えのあるカレ=プルゲールの市街地へ。通過時間帯が違うのでなんとなく見覚えがあるような無いような感じ。街の中心部を抜けてコントロールへ。

Control
PBP2019_029.jpg
CARHAIX-PLOUGUER(693.5km)
到着はクローズ30分前。
ブレストでのリスタートはほぼオンタイムだったし途中仮眠したりしたのでここでは間に合わないかと思ったものの90kmを約6時間でどうにか。以後は少々余裕ができる(と、この時は思っていた。)

PBP2019_030.jpg
少々軽めに
ブレストで大量に食べたのであまり空腹を感じなかったのでこのくらい。
これで軽いのか?というツッコミが日本から寄せられる。

のんびり走るとはいえ時間の余裕には際限があるので眠くならない内にリスタート。シジュンでの仮眠のお陰で頭はスッキリしていたけれど、全般的に睡眠不足気味なのでどこでいきなり眠くなるかわからんし。
リスタートしてしばらく経ってから単三乾電池の携行本数に若干の読み違いがあり、最悪足りなくなってしまう可能性がありそうだということに気が付いたので調達しなければならなくなった。カレ=プルゲールはかなり大きな街だったのに、その時には気付かなかった己の不明を少々呪いつつ、徐々に日が傾いて来たコースを淡々と進む。なかなか営業している雑貨店の類が見つからなくてヤキモキし始めていた時グアレックという小さな町のお店が目に付いたので停まって店内の様子を伺ってみたら、そろそろ店じまいをしそうな雰囲気のイートインスペースのある雑貨店のような風情だったので乾電池があるか聞いてみたところ無事アルカリ単三電池四本を調達できたのでホッとした。

Battry.jpg
乾電池を購入したお店
ところでわたしが停車したらピタ付けで停車した日本人参加者がいて、なんで追い掛けて来たのかわからなかったけれど”ここ、もうすぐ閉店時刻ですよ?”と伝えたら面食らったような表情でリスタートして行った。こちらが飲食すると思ったのだろうか。普段の国内ブルべでお見かけした記憶の無い方なので特にそれ以上の会話もないまま。

やや日が落ちて来たところで往路でシークレットだった通過チェックポイントサン=二コラ=デュ=ペルムに到着。公式の英語版キューシートには「food(無視しても良いポイント)」と記載されているけれど、ブルべカードにはしっかりスタンプ欄がある。まあ入り口付近でスタッフの誘導があるからスルーしてしまうこともなかなか無いとは思うけれど。

food
PBP2019_027.jpg
SAINT-NICOLAS-du-PELEM(735.0km)
ここでも九州のばんばんさんと行き会う。
食事を済ませてリスタートしようとしていたらPEKOさんはるさん、イーチョねーさんの姿も。PEKOさんとの会話中”じぇんさんとは別行動になっていて彼女の動向がわからないんですよねえ、でもブレストの駅に向かった形跡があるからDNFしちゃったのかも。”というような話もあった。

仮眠所で休んで行くという彼女たちとは別行動を取ってリスタート。
駐輪場から移動しようと思ったら他国の参加者から”ジャケット着ていないけど寒く無いの?”と聞かれて”全然?”と答えたらなんとも言えない表情を返して来た。
欧米人って寒さに強いイメージなんだけどな、真冬の東京で短パンTシャツ姿で歩き回ったりしているし。


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2023Jun18Sun

【生涯初の】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-07【大西洋とのご対面】 

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プルガステル橋から眺める大西洋
(※厳密には中央の狭い海峡の向こう)
人生で初めて大西洋を目にした瞬間であった。
記憶の中ではハンブルクが最初と思っていたけれど
あそこは大西洋ではなかったし。

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<実走行ログ-5/8>

通過チェック改めシークレットコントロールのサン=二コラ=デュ=ペルムをリスタートし、次のカレ=プルゲールのコントロールまでは30kmちょいだったので所要時間は100分前後。
まあまあ順調なペースだったものの少々眠気が怪しい。
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カレ=プルゲール

シークレットでそこそこしっかり食べたのでここでは眠気覚ましにホットコーヒーだけを飲み、トイレを済ませてリスタート。
ここまで一緒だったり離れたりしていたけーこ隊長と再び一緒になってあれこれ話しながらの走行だったもののこの辺はかなり眠くて会話内容を覚えていない。

往路と復路が重ならない区間に入ったところで走行中、かなり大きな音が後方でしたので振り向いてみたものの後続は結構離れている。
(???)
後方を気にしつつ走行していたわたしをいぶかしんだけーこ隊長
けーこ:どーしたの?またなんかトラブル?
とり:ん~~~。なんか結構大きな物音だったんですけどね、けーこさん何か踏みました?っていうか「また」ってなんすか「また」って!
けーこ:とりさんは落車したんだから「また」でしょ。それにその音はあたしじゃないわよ?
※転倒落車の話は当然ながら既にしてある。
とり:動物かな?
民家の無い林の中の走行だったので野生動物の類かとも思ったけれど、PBP参加期間中家畜以外の大型の動物は目にしなかったし、小型の動物も犬猫以外は遭遇せずだった。ハリネズミの死骸は道端で何度も見かけたけれど。

しばらく進んだ時、ふと思いついて背後を手探り。
とり:あちゃ~~~!さっきの音の正体わかりましたよ、サンダル落としちゃった。
けーこ:どうする?取りに戻る?
とり:さすがに10分くらい走っちゃいましたしねえ、諦めますわ。
けーこ:この区間は復路で使わないから拾えないよねえ。
とり:徳之島で買ったお気に入りの魚サンだったのに。まさかフランスで落とすとは。
PBP2019_016.jpg
後刻ブレストにて撮影
サドルバッグの上部にバッグ付属のゴムひもで固定していたのだけれど緩んでしまって落ちたようである。片方だけあっても仕方が無いのでこちらもブレストで破棄した。前泊時のホテルや仮眠の際の行動時に非常に便利だったし何よりお気に入りだっただけに惜しい。

なおもあれこれ話しながらの走行。
周囲には霧が立ち込めてきて徐々に視程が短くなって来た。気温もかなり下がってきて、最も下がったところでGarmin読み2℃前後だったけれど霧が発生するくらい湿度が高かったおかげかそれほど寒さを感じずに済んだ。上は半袖ジャージに春秋対応のアームカバー、下はビブショーツという装備でグローブはさすがにフルフィンガーに切り替えたものの、使うかどうか迷ったシューズカバーは(サドルバッグから引っ張り出すのが面倒)という理由で使わずに我慢できるくらいの寒さ。

緩やかな登り坂の先、丘の上にどことなく小綺麗な、新興住宅地を思わせる街(ログを見るとプラウーアンというところである。)に差し掛かった頃フロントバッグにしまってあったジャンボンサンドのストックが切れてしまったので咀嚼で眠気を散らすこともままならず、何度かマイクロスリープで意識を飛ばしかけたのでさすがに二度目の落車をやらかして無事で済む保証が無いのでけーこ隊長には単独で先行して欲しいと声をかけて道端に停車。丁度良い教会の類も見つからなかったので民家の石積みの塀に背中を預け、体育座りスタイルでしばし仮眠。気温の割には寒さを感じなかったのは幸い。

30分ほどその姿勢で仮眠を取った後、すっきりしてリスタート。相変わらず霧が立ち込めていて気温は低めだったものの、おそらくはこの霧のお陰で放射冷却が緩和されているのだろう、それほど厳しい寒さにはなっていないし、Garmin読みでは先ほどよりも気温が上がって来ていた。
広い森林地帯の中を抜ける緩やかなアップダウンを走行しているうちに徐々に周囲が明るくなって来た。緩いダウンヒルの後少々登った先に湖が目前に広がった。ユエルゴアという水辺の街。
GoogleMapsで見る限り湖の名前の標記が無く、ファオ川という名前が表示されるのでおそらくダム湖の類の人造湖なのだろう、差して来た曙光に水面の靄が揺らめいてなかなか幻想的な光景だったのでしばらく眺めていたら背後の、道を挟んで湖と反対側のホテルから出て来た参加者が数名。なるほど、仮眠所では落ち着かないと感じる人はこういうところを利用するのか。

朝日の中をリスタート。
雲が多いのか、明るくなっても背中に日差しを感じないし、進行方向に自分の影もできない。
緩やかなアップダウンを繰り返しながらも着実に標高が上がって行く登り基調。
長く緩い直登の先に鉄塔が見えて来た。
PBPのコース最高地点である
電波塔
電波塔(画像は拾い物)

何人もの参加者が記念撮影をしたり私設エイドに立ち寄ったりしていたけれど、なんとなくタイミングを逸してしまってそのまま一気にダウンヒルへ。
長く緩やかなダウンヒルを気分良く下りながらも復路でこれを登り返すのだと思う灯少々うんざり。
田舎道が終わり、徐々に市街地走行の雰囲気になってくる。
ブレストは海軍基地もある古い港町なので市域が広いのだろう。
ダウンヒルを下りながら前方遠くに大西洋らしき水平線がちらちら見えた時はさすがに興奮したもののすぐに海は見えなくなり、登り坂をえっちらおっちら。丘のピークに達したら今度こそ眼前に大西洋が広がり始め、しばし進んだところであのプルガステル橋
PBP2019_018.jpg
プルガステル橋
厳密にいうとまだ中間地点ではないけれど、ここまでくると折り返しという気になる。
ここで参加者にシャッターを切って欲しいと頼まれ、お返しにこちらも記念撮影してもらったのだけれど、そのデータは手元にない(T_T)

有名な灯台を眺めに行こうかとも一瞬思ったけれど、余計なことをして痛い目に遭うのもイヤだったので断念し、そのままコントロールへ向かい、にぎやかなブレストのコントロールに到着。
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ブレスト
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半分まで来たという記念にステッカーをくれた

カードにスタンプとサインを貰ってレストランに移動。
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考えなしにあれこれ取ったらこうなった
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視線を向けたらいぢちさんがいた

お腹を満たし、すっかり落ち着いたところでリスタート。
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パリ(っていうかランブイエ)に向けて帰るよ~。
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2023Jun18Sun

【こまけぇこたぁ】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-06【良いんだよ!】 

PBP2019_014.jpg
前回参加者の評判を聞く限り
散々な味わいだったというパスタ
カロリー摂取の為と割り切って注文してみたけれど
どこのPCでも思いのほかちゃんとした味わいのものが供された
やっぱり前回あちこちから不評噴出だったのでしょうかねえ。
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<実走行ログ-4/8>

暗くなった道を単独で進む。
単独とはいえ周囲には各国の参加者がそこそこの集団で走っているので適宜自分の脚に合うトレインを見つけては付かせてもらいながらだったのでかなり快調なペースで進めていた。
ログを確認してみたらケディヤックからルデアックまでの59kmを約三時間で走っている計算になるのでそれなりのペース。
PBP2019_013.jpg
ルデアックのControl

タンテニアックまでは田中会長を相手にぐちぐち言っていたけれど、単独になってしまってやり場のない感情が昂っていて(笑)こんな感じに”コースに飽きた!”を連呼している。
PBP参加経験が無く、次回以降の参加を思い描きつつ日本でTLを追いかけている人たちもいるんだからいい加減にしとけ、オレ。
フォロー的に付け加えると最終的に完走したから言えることだけれど、PBPの楽しさというのは復路にこそあるような気がする。タイミングの問題だったのかも知れないけれど、私設エイドの数も盛り上がりも圧倒的に復路の方が往路を上回っていたし。

ブルべカードにスタンプとサインを貰いレストランへ。
食後に仮眠のつもりだったのであまり量は食べずにパスタとスープ、チキンで軽め(?)に。
PBP2019_014.jpgPBP2019_015.jpg
仮眠前の軽い夕食
どこのPCでも共通することだったけれど、パスタは事前に伝え聞いていたほど味がない訳でもなく、日本から持参したアジシオはもっぱらミネラル補給のために使う感じだった。
要するに普通に食べる分には問題ない味わいだったけれど敢えてアジシオを振って味を濃くしていただいた、と。

食後、シャワーを浴びるかどうか若干逡巡の後結局身体はアルコールシートで拭いて対応することにして仮眠所へ。気温が高めだったけれど終始向かい風だったおかげで(汗まみれで気持ち悪い。。。)という感覚にならなかったのが幸い。雨にも降られなかったし。

仮眠所受付で料金を支払い、何時に起きたいかをスタッフに伝えると寝床まで案内してもらえて予定時刻にスタッフに起こしてもらえるというシステム。
中学校の体育館の中に簡易ベッドがずらり並べてある仮眠所なので、そこそこざわついていたけれどアイマスクと耳栓のお陰で三時間半ほどぐっすり眠れた。
お願いした通りの時刻にスタッフに肩をゆすられ目覚め。目が合ったらスタッフさんが声を出さずににっこり笑みを浮かべてサムアップしてくれたのでこちらも静かに挨拶を返す。

駐輪場に移動したらドロップバッグ集積場の辺りにみいさんがいたので声をかけた。
他にもこのPCではけーこ隊長イーチョねーさんの姿を見かけた。

まだ真っ暗な中リスタート。
仮眠明けでまだ若干呆けているのか、時折間欠的に眠気が訪れたのでフロントバッグから補給食のサンドイッチを取り出し、固めのパンを咀嚼していたらかなり眠気が散った。
ジャンボンサンドは補給にも眠気覚ましにも非常に有効だった。

リスタートしてしばらくは地元ルデアックの名が書かれたジャージを着た集団に引っ張られるようにして若干山間部っぽい雰囲気のアップダウンを進む。単独だったらヘタレてペースが落ちてしまうところだったので非常にありがたい。
更にしばらく進んでコースは丁字路を左に、というところで集団の先頭を牽いていたルデアックジャージの5、6人が手を振り声をかけながら右折。どうやら残った3人ほどが地元からの正規参加者で、右折して行く彼らは非正規の同行者だったらしい。

(日本だったら「モグリ行為」で大騒ぎだな…。)
そんなことを思いつつ。(そういえばコース沿いに停まっているキャンピングカーで身内と思しき人からサポートを受けているような光景を時折目にしていたなあ。)とも思ってみたり。
その後一緒になったけーこ隊長曰く
”PBPはお祭りだから何でもありなのよ、わたしはその辺気にしないことにしてる。気にし始めたら私設エイドだってPC外サポートなんだから使えなくなちゃうでしょ?”
ごもっともです。

ルデアックからの40kmちょいを二時間半くらい、途中ぶり返した眠気もあってあまりペースが上がらないまま通過チェックであるサン=二コラ=デュ=ペルムに到着。
キューシートには「通過チェック」と記載されていたけれど、コース脇で誘導していたスタッフが”Secret Control,Here!!”と案内していた。
PBP2019_017.jpg
通過チェック改めSecret Control

駐輪場に自転車を置き、プルべカードにチェックを貰う。
細い通路の奥にレストラン、手前が若干吹き曝しなカフェテリアっぽくなっていた。奥に移動するのが面倒なので手前のカフェの待ち列に並んでいたら既にブレストから折り返してきていたオモテ先生ずっちゃ氏の姿が。やっぱり速いわ。
オモテ:いやあ、楽しいですね、エターナル尾根幹ですよ、この感じ。
とり:エターナル尾根幹に時々「浅間サンライン」が混ざる。。。(-_-;)
ずっちゃ:すげー寒い、ホント寒いわ。鼻水出まくり!!

気温はこの時点のGarmin読みで10℃を下回っていたはず。
ここではスープとジュースだけであまり長居せずにリスタート。気温が下がって来たのであまり長居してしまうとリスタートしづらくなりそうだったし。
この辺でアームカバーを装着。足先も脚もまだそれほど寒さを感じていなかったので生脚のまま、というか今回レインウェアは持ってきていたけれど、下はシューズカバーしか携行していなかったし。

先ほどの休憩所で奥のレストランで休憩していたというけーこ隊長と一緒になったので以後しばらくあれこれおしゃべりしながら先に進む。


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2023Jun18Sun

【ロングライドは】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-05【胃腸で走る】 

PBP2019_002.jpg
PC2:フジェールでの昼食
ここに映っているスープが非常に気に入り
この後のPCでもしょっちゅうこれを頼んでいた。
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<実走行ログ-3/8>

ゴロンのレストランをリスタート。
ひたすら続くアップダウン、繰り返される「農地(牧場)→町とその中心の丘の上の教会→牧場(農地)」というひたすらワンパターンな風景。

とり:いやあ、おんなじ景色ばっかりでいい加減飽きました。
会長:ホントに変わらないよね。
とり:事前に色々、特にゆりかさん辺りから聞かされていましたけれどホントにワンパターンな景色ですよね。
PBP経験者のゆりかさんと彼女が毎週水曜日に末広町で出店している「名前はまだない珈琲店(通称(?)「純喫茶マダナイ」)」で雑談していた際、時々話題になっていた。
会長:これは確かに飽きるわ。
とり:お祭り気分な雰囲気は凄く楽しいんでそれはそれとして、コースそのものを評価したらクソつまらんですよね。
会長:つまんないコースだよね~。
個人的にはあんまりリピートしたくはないかな。
とり:これを二回も三回も走れるべいさんやひらまつカントクってしみじみホント凄い。
会長:まあべいさんは仕方ないけれどねえ。
とり:そうですよねえ(苦笑)
改めて、べいさんはともかく(笑)ひらまつカントクはホントすげえ!って話になった(笑)

そんなこんなで次のControlがあるフジェールに到着。
PBP2019_011.jpg
Control入り口

ブルべカードにスタンプとサインをもらい、レストランで昼食。
あれこれ物色しているわたしと対照的に色々逡巡しつつものを選んでいる会長
テーブルに移動して食べながら
会長:実は胃の調子が思わしくなくてあんまり食べられないんだよね。胃に入れられないから仕方なく食べかけで寝ちゃう。もしかしたらこのままDNFするかも。
とり:食えないのはきついですよねえ(パクパク)
本当に、ほんっとぉに頑丈な胃腸ってありがたい。
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フジェールでのお昼ごはん
この「謎スープ」が非常に気に入り、以後大抵のレストランでこれをいただいた。

レストランの外に出て草地で昼寝。
Controlのある建物とレストランの間の草地にも結構な人数の参加者が転がっていたけれど、そちらはなかなか騒々しかったのでイマイチだと思っていたら、レストランを挟んで反対側(敷地南端に近い)はかなりひっそりした感じの穴場になっていた。
のんびり日差しを浴びながら昼寝。
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お花に囲まれつつ寝転がる会長

一時間ほど寝た後駐輪場に向かって移動していたところでアライ母娘と遭遇、彼女たちは暑さに少々ヤラレ気味な雰囲気であった。少々立ち話の後リスタート。
もう少し休んでいくという会長とは別行動となり単独走行となった。
次のポイントであるタンテニアックまでは60km弱。
そこそこ順調に走れたので3時間ほどで到着。

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チェックを受けて軽く補給
フジェールでしっかり食べたので軽めに。
リスタートしようと表に出て自転車を押し歩き始めたら丁度田中会長が到着してきたところ。
”ダメだわ、胃が全然働かないから今回はここでDNFすることにするよ。”
とのこと。
寒暖差にかなりやられてしまった日本人は多かったようで、最終的な日本人参加者の完走率は六割を切ってしまったらしい。

タンテニアックをリスタートして一時間ちょっと経ったところでPC外の補給ポイントであるケディヤックに到着。
ケディヤック駅脇の踏切を通過したのでスナップを数枚撮ったが手元にデータは無い(T_T)

コーラとジャンボンサンドを購入し、コーラはその場で飲み、サンドイッチはナイフで四分割してペーパーナプキンに包んでフロントバッグに入れ、緊急用補給食としたが、これは大正解なのであった。

心配していた落車ダメージに関しては、背中と腕に鈍い痛みがあるほか右膝が相変わらず歩行中妙な痛みを感じるもののペダリング中はほとんど違和感が無いので非常に心が軽かった。

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2023Jun18Sun

【朝から】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-04【お盛ん】 

PBP2019_005.jpg
PBP二日目の夜明け
今回走行中に丁度タイミングよく日の出を見られたのは
この区間だけだった。
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<実走行ログ-2/8>

取り敢えず打撲痛以外の身体の不具合はなさそうで、なおかつその時点では自転車に対してのダメージはハンドル周りしか無いと判断していたので前後の状況を見ながらゆるゆるとリスタート。
道路に叩きつけられた際右膝を痛打したようで、歩行の際には若干痛みを感じるのでややぎこちない動きになるもののペダルを踏んでくるくる回りている分には力まなければ痛みを感じることもほとんどない。上半身に関しては、路面との間でカメラを挟んでしまった左の肩甲骨付近に鈍い痛みがあり、登り坂でハンドルを引こうと力を入れるのが少々困難といった程度。
とはいえ(転倒直後の興奮状態なので落ち着いてきたらどこが痛み始めるか少々不安だよなあ。。。)…といった感じ。

散らばった荷物を拾い集め、ハンドル周りの調整をしている間こそ数組の集団が通過していったもののリスタートタイミングではちょっと前にひとグループが通過して行った後はしばらく後続無し。ひとまず直近で通過していった集団に追い付こうと少々ペースアップして数キロ走ったところで20人ほどの集団に追い付いた。
(これでしばらく楽できる。)
そんなことを考えつつ、先頭を牽いている走者の方を見て見たらAJベストを着用した日本人だった。今回のAJベストは反射材の配置が特徴的で、後方から見ると魚の骨のように見えるのですぐ日本人だとわかるため、夜間走行中非常に便利だし仲間意識のようなものが湧いて気持ちが軽くなる。

状況を見ながら前走者をパスして先頭に近づいてみたら、前を牽いていたのは田中会長だったので早速話しかけ、支柱に激突して転倒落車したこともかいつまんで説明してしばし追走。
そうこうするうちに興奮もおさまって来たので念のために仮眠しておこうと考え、会長に声をかけて離脱し、通りかかったムールセという村の教会(Église Notre Dame)の前にあるベンチで15分ほど仮眠の後リスタート。多少すっきりしたかと思ったもののまだまだ本調子とは言い難かったので途中何か所か、仮眠出来そうな場所を物色しつつの走行。
結局スジェ=ル=ガヌロンという街の教会(Église Saint-Martin)前のベンチで再び横になった。

うっかりタイマーもセットせずに横になってしまったけれど、深夜だというにも関わらず近所にお住いの若いお嬢さん二人が参加者に水やお菓子類を供しながらにぎやかに応援したり楽しそうにキャッキャウフフ♪とコロコロ笑っているのを耳にしつつまどろみ、小一時間ほど経ったところで聞き覚えのあるにぎやかな女性の声ではっきり目を覚ました。あの話し方は今年早々の【サッタ峠400】で聞き覚えがある。
声は聞いたもののその時は一緒に走らなかったので当時のレポには記載していなかったが、東伊豆を走行中の深夜、やはり道端で仮眠をした時に聞こえて来た声である。(あの話し声はPEKOさんだ。。。)もそもそとリスタート準備を済ませ、彼女たちが通過した数分後に追いかけて追い付いてみたら果たしてその通り、PEKOさんじぇんさんなのであった。

しばらく会話しながら走っていたらすぐに最初のControlが置かれている街ヴィレンヌ=ラ=ジュエルに到達。PCまであと1km弱というところでBoulangerie Patisserie Dequidtという営業中のブーランジェリー兼パティスリーがあったので三人で入店、パリブレストがあったのでそれとパイ(「源氏パイ」が二回りくらい大きくなったもの)を一つずつとジュースを購入して店内の隅っこでいただいた。歯ごたえも味わいもばっちりなそれらをいただき、近所のスーパーで補給食や飲料を調達してControlとして設定されている中学校へ。

軽食コーナーでアップルパイと紅茶をいただき、仮眠を取ってからリスタートするというPEKOさん、じぇんさんと別れて単独で先行。こちらは手前で仮眠を済ませていたし、何より彼女たちの方がスタートグループが遅いので一緒に行動していたらこちらは時間が厳しくなりかねない。
リスタートするため休憩エリアから出ようと思ったらすぐそばにはテーブルに突っ伏して寝ている田中会長の姿が。
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一枚撮ってリスタート

真っ暗な中リスタートしたけれど、じきに空が明るくなって来た。
夜が遅くまで明るいので朝は遅くまで暗い。
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6時過ぎくらい

しばらく進むとLe Ribay(ル・リベ)という街の中心部登り坂の先に交通量の多い幹線国道を横切る交差点に差し掛かった。
角にテントが張ってあって私設エイドになっており、温かいコーヒーを一杯1ユーロで供してくれているので眠気覚ましに一杯いただく。
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明け方の冷え込みにはありがたい

丁度けーこ隊長もその場にいて、向かいの建物の仮眠所を利用すると言ってそちらに移動していった。しばらくのんびりコーヒーをすすっていたら、田中会長、イーチョねーさん、アキくんも合流してきたのでしばしまったりしたのちみんなでリスタート。
丁度教会(Église Saint-Ouen)の鐘がなって7時を報せた頃合い。
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7時頃に日の出

曙光を浴びながら、ひんやりとした空気の中を四人で気持ちよく走る。
私設エイドを過ぎてしまったら左右は相変わらずの田園風景。右は麦畑で左は牛の牧場であった。ほとんどの牛は地に伏してのんびり気だるそうにしていたけれど、中に一頭元気な奴がもう一頭の背後にのしかかってなかなかアグレッシブに攻め立てる雄姿を見せていた。
(「日の出と同時に」とか元気有り余るにもほどがあるやろ!!)と、内心盛大にツッコミつつの走行だったが前後の距離が少々開いてしまっていたので誰にもそのことを教えられず、結局わたし以外の誰もその状況を目にしていなかったのであった。緩い下り坂の左コーナーの左側、何本か木立もあったのでタイミングが合わなければ気付かないところだったから仕方ないことではあったが折角のネタが非常にもったいない。

日差しがポカポカして温かくなってきたところで眠気覚ましもかねてゴロンという街のレストランに立ち寄ることに。

<Restaurant du Bocage>
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イーチョねーさん撮影

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クロワッサン二個とコーヒー

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Controlに引き続きお疲れのご様子だった会長
Contorolでも食べかけの状態でテーブルに伏せていたので(食べている最中に寝落ちするくらいダメージ蓄積しているのか。。。)と、思ったものだったが後から聞いた話では寒さにやられてしまったのか胃腸の働きが悪く、食べたくても食べられない状態だったので途中で食べるのを諦めてしまっていたそうである。
結局会長はこの後DNFを選択。
やはり長距離を走るにあたっては消化器系の働きが脚力に負けず劣らず重要な要素となるのである。

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2023Jun18Sun

【人生で最も派手な】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-03【転倒落車】 

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ゴール後、ランブイエの駅で輪行する電車を待っている際
みいさんに指摘されるまで全く気付かなかった
ダウンチューブの亀裂

19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-02 より続く。
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<実走行ログ-01>

飛び出して台湾人グループを追った15氏にうっかり付いて行ってしまい、当初想定していた以上のハイペースで走る羽目に陥った。
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方形に固められた麦わら(?)がジェンガみたい

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19時頃でもまだまだ明るい

19PBPb42.jpg19PBPb43.jpg19PBPb46.jpg19PBPb47.jpg
畑(牧場)→[町⇒教会(丘の上)⇒町]→牧場(畑)/時々森
ひたすらこのパターンの繰り返しなのである。

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シングルスピードで参加している女性も一人や二人ではなかった
つよい(つよい)。

しばらく進んだところで台湾チームは小休止のためスローダウンして離脱。10人ほどのトレインの先頭が15氏になり、しばらくその状態で淡々と進む。
19PBPb50.jpg19PBPb51.jpg19PBPb52.jpg19PBPb53.jpg
しばらくは15氏の背中ばっかり撮ってた

”(PBPの)スタート直後はね、周りが飛ばしているからついついその気になってオーバーペースになって、結局脚が売り切れて自滅するパターンが多いんですよ。脚が売り切れてからの走行はホントにつらいよ~~~。”今回で三度目の出場となる自称「PBPのベテラン」であるところのべいさんが、事前の飲み会等でしつこいくらいにドヤ顔で語っていた姿が脳裏に浮かぶ。
(オレ、まさにいま、のっけから脚を使い切りそうではないか。。。)
スタートから80kmを過ぎたあたりで我に返り、ペースを落として徐々に後退して行くことに決めた。
”15くんさあ、オレが遅れるようだったら気にしないで先に行って良いよ!”
徐々にペースダウンして15氏と距離を置く。すると後方からわたしを追い越した、黒いジャージのドイツ人と思しき参加者が何やら手振りで彼の後ろに付くよう促しつつあれこれと話しかけて来た。
並走しながら身振り手振りで会話をしていると、どうやら”あんた(=わたし)前を走っている相棒(=15氏)から遅れちゃったんだろ?オレが牽いてやるから距離詰めようぜ!”ということらしい。
既に30mくらい差が付いていたので”いやいや気にしないで!”と返したものの、遠慮だと思ったのか”ほれ、良いから早く後ろ付けよ!”というジェスチャー。
仕方なく後ろに付いてしばし牽いてもらい、無事(?)15氏の真後ろに。
”なぜか戻って来ちゃったよ。。。”と、15氏に声をかけ再びしばらく追走。先ほどのドイツ人は10mほどの距離を置いて後方を走っている。
それでも再びじわじわ遅れ始め、また15氏との距離が開いたところで先ほどのドイツ人登場。
”何やってんだ!?頑張れよ!もう一回牽いてやるぜ?”的な励ましの言葉。”いやいや、このままでノープロブレムだよ!”と返すも”行くぜ、気合入れろ!!”とばかりに横から手を伸ばしてわたしの尻を押して来た。
仕方がないので再びペダルを踏み込んで15氏の後ろに復帰、しばらくそのまま追走。
10kmくらい走ったところでミラーを確認してみたら、どうやら途中のカフェにでも立ち寄っているらしく先ほどのドイツ人の姿が見えなくなっていたので満を持して(笑)
”あのさあ、今度こそオレちぎれるからよろしく!”15氏に声をかけ、ペースを落とし始める。
”え?とりさんオレのこと牽いてくれないんですか!?”
”牽かねーよ、そんなことしてたら死ぬわ!(笑)”
以後は単独でゆるゆると。

19PBPb54.jpg19PBPb55.jpg19PBPb56.jpg
各国のいろんな参加者と走りながら日が落ちる

このあたりから妙に生あくびが出てくるようになって意識がふわふわし始めた。
(これって低血糖状態ではないか?)
慌てて道端に停車して携行していたスポーツようかんを取り出して糖分補給。しばらく時間を置いたらかなり意識が戻って来たのでやはり飛ばしすぎに伴う血糖値の低下だったのだろうと判断。
多少はしのげたものの、時折意識がふわっとする瞬間があるのでスポーツようかんの一本や二本ではまだまだ補給が足りない感じ。ペースを抑え気味にして慎重に進む。

しばらく進んだところでちょっとにぎやかな街を通過。約100km地点。後から確認したらロンニー=オー=ペルシュという名の街。
大きなラウンドアバウトを回り込んで左折、その後右折となるので地図上で見ると進路がオフセットしたような形になる。ラウンドアバウト沿いにあったカフェがにぎわっていたので立ち寄ろうかとも考えたけれど最初のフードポイント(非PC)まで20km弱なのでそのまま通過。教会や街の様子を撮影しようと停車したらすぐ目の前にひらまつカントクが停まっていて動画を撮影していた。
”前回ここを通過したときは真っ暗だったんだよねえ。今回は頑張って踏んでる♪”とはカントクの弁。
リスタートしてカントクに付いて行こうかと思ったもののまだまだ消耗が回復していないようで思うように脚に力が入らず、じりじり遅れ始めて気が付けばカントクの後姿がはるか前方に小さくなって消えて行った。
19PBPb57.jpg19PBPb58.jpg
ロンニー=オー=ペルシュの教会

道中、間欠的に生じる猛烈な疲労感と眠気を感じつつの走行。まだ血糖値低めなのか。
だましだまし走行してようやく最初のポイントであるモルテーニュ=オー=ペルシュに到着。ここはControl(PC)ではないのでスルーしても問題のない「食事ポイント」である。
駐輪場に自転車を停め、建物の外にある屋台のようなところでサンドイッチとコーラを購入して屋内休憩エリアに入る。
ざっと見まわすと八割ほどの混雑具合で、幸運なことに出入り口のすぐ脇に空席があったので着席してサンドイッチをほおばりコーラで流し込んだ。

<MORTAGNE-au-PERCHE (food)118.0km>
19PBPb59.jpg19PBPb60.jpg19PBPb61.jpg19PBPb62.jpg
ジャンボン(生ハム)サンドとコーラを買って休憩所へ
※これらが(厳密にはもう一枚あるけれど)今回携行したGRⅢで撮影した最後の画像群である。

ちらほら日本人の姿も見受けられたけれど、面識のない方ばかり。何人かは腕組みしたりテーブルに突っ伏して仮眠していたり。
軽くお腹を満たして仮眠するかリスタートするか若干逡巡していたところで後発グループでスタートしたばるさんと行き会ったので軽く挨拶と会話の後結局リスタートすることに。
ここで軽く寝ておけば良かったというのはあと知恵。少なくともこの時点では眠気が散った気になっていたのだし。

リスタートしてしばらくはそこそこ快調だったものの30分も走ると断続的に感じるようになった倦怠感と眠気。やはり先ほどのポイントで仮眠しておくべきだったか。
何度か停車して深呼吸したりストレッチしたり、眠気を散らせようとあれこれやりつついたら随分調子が上向いてきた。
真っ暗な田園地帯を走行中、前方に街灯りが見えたので(街まで行けば教会の周りにベンチぐらいあるだろうからそこで仮眠しよう。)そんなことを考えながら若干ペースを上げ、ほぼフラットな道を進んでいたその時、マイクロスリープで一瞬意識が飛んでしまったらしく、気が付いたら道路右手の草地の上を走っていて、しかも目の前には直径20cmほどの鉄製と思しき支柱。
”???!!!”
気付いた時には20KPH前後の速度で正面から支柱に突っ込み、ハンドルの右側が衝突。
わたしの身体は勢いで宙を舞い、背中からアスファルトに叩きつけられていた。
記憶にある限り、個人的に最も激しい衝突を伴う転倒落車事故である。
ClashA.jpg
事故現場
GoogleMapsでは「シュレ・ノルマンディ」と表示される地域。

デジカメのストラップをたすき掛けにして携行していたので背中と路面でカメラを挟む形になり、息が苦しい。
(正月早々やらかした時のように肋骨でも逝ってしまったか?)と思いつつ起き上がり、様子を伺う。正直、ぶつかった瞬間の衝撃から自身の骨か自転車のフレームのどちらか、あるいは両方が折れてしまっただろうと思っていたので(たった1/10しか走っていないのにDNFとはふがいない。。。)と、心で半べそをかきながらフロントバッグから路面に散乱した荷物とその傍らに転がっている自転車を眺めた。
幸いにして前後に集団がいない状態での単独事故だったので後続に直接迷惑をかけることは無かったけれど、いつまでも道路上に放置していられない。

ふらふらと自転車に近寄ろうとしたら後から来た外国人が”大丈夫か!?ひどいクラッシュだったけれど救急車呼ぶか!?”と、声をかけて来た。ひとまず身体は動くので”大丈夫そうだ。”と伝えたが、しばらくはそばにいてくれて”ほかの日本人とは連絡付くのか?本当に大丈夫か?”と、いろいろ気遣いをしてくれた。礼を述べ、リスタートを促した。

その後もいくつものグループが”うわ、やらかしちゃってるよ!(※非日本語)”とかなんとか言いながら脇を通過していくのを横目にまず自転車の確認。
カラカラと後輪から音が聞こえたのでスポークが折れてしまったかと危惧しつつ確認してみたら無事で、衝撃で外れたチェーンがスポークと接触しているだけだった。
心配していたフレームもヘッドランプで照らしてみた限り無事。身体を動かしてみてもおそらく打撲のみ。肩にかけていたデジカメは、正面は無事だったものの背面の液晶がひび割れてしまっていて起動は可能でも撮影、確認ができない状態。

改めて自転車を確認してみたら衝撃でステムの角度がずれてしまっていたので工具を取り出し角度調整。ハンドルも右側ドロップ部分の角度が若干開いてしまっていたけれど、幸いにしてSTIは無事なのでブレーキもシフトも問題なし。アルミハンドルで良かった。カーボンだったら割れてる。

拾い集めた荷物をフロントバッグに収納して、周囲をライトで照らして拾い漏らしがないか確認の上でゆるゆるとリスタート。
打撲痛はあるものの取り敢えず走行にはそれほど支障がなさそうなのでホッとしつつ。
それまで感じていた疲労感も眠気も一気に散ってしまっていた。

CrushA.jpg
ゴール後に確認したダウンチューブ
おそらく事故直後はここまでひどい状態ではなく、1,000km以上走っている間に亀裂が大きくなっていって最終的にこうなったものだとは思うけれど、それにしても走行中完全に破断することが無かったのは本当に僥倖であったという他ない。
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2023Jun18Sun

【いざ往かん】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-02【ブレストへ】 

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今回のブルべカード
中綴じ形式になっていて
往路と復路では180度ひっくり返しの使い勝手になる。
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<1.5往復分まとめちゃったので再掲>

明けて日曜日。
前日同様5時過ぎに目覚めて6時頃から小一時間ほど近所の散策。
雨はほとんど降っていなかったものの、天気予報を確認してみるとスタートのランブイエ周辺は午前中は雨降りで昼過ぎには上がるものの18時前後はなんと雷雨の予報。
(ピンポイントでオレらがスタートする時間帯に嵐かよ。。。)
日本からは実に400名近い参加者がこのフランスの地に集っているのである。猛烈に引きの強い御仁も一人や二人ではありはしまいという、半ば諦念を覚えつつスマホの画面を眺めていた。
※あくまでも自分自身は「引きの強い人に巻き込まれてしまった」というスタンスである。

早朝はひと息ついていた空模様だったけれど明るくなるにつれて若干雨脚が強くなってきた感じ。
出ようかどうしようか悶々としながら部屋のベッドでダラダラ過ごしたものの、正午近くになって肚を括って出発することに。すると雨もほぼ小康状態になってきた。
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路面はウェットながら雨は上がった

前日と同じルートでランブイエに向かっているけれど、さすがに一度通過しているのでかなり勝手がわかって来た。
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のんびり草をはむ

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ダンピエール城というらしい

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ダンピエール=アン=イブリーヌの街並み

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こういう石垣はよく見かけた

誰か知り合いでもいないかと思ってランブイエ駅に寄り道。
19PBPb08.jpg19PBPb09.jpg
ランブイエ駅
生憎誰もいなかった。
電車到着まで待ってみようかと思ったけれど、万が一誰も知り合いがいなかったらむなしくなるのでやめてスタート地点へ。
前日走っているので概ね勝手はわかっているランブイエの市街地を進む。

19PBPb10.jpg19PBPb11.jpg19PBPb12.jpg
濡れたパヴェをおっかなびっくり進む

19PBPb13.jpg
ランブイエ城
ホントは昨日の夕方この辺で日本人有志の集合写真撮影があったはず。っていうかここで良かったんだっけ?

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日本では見かけない重機にワクワク
おとこのロマンだよね~。

19PBPb15.jpg
様々な国の参加者が三々五々集う

まずは腹ごしらえ。
前日車検会場だった大型テントが仮設レストランで、あらかじめ手配してあったミールクーポンを受付に渡してトレーを受け取る。今回は特に誰かと待ち合わせをしている訳でもないので一人で空いた席に座り、周囲を眺めて空気を感じながらの食事。
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心配したほどには混雑していない

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スタート地点ミール(一式13ユーロ)

食べ終わってしばらく食堂テント付近をうろうろしていたらHideさんに遭遇。
制限時間84時間組でのスタートで、16:30だとのこと。とはいえしばらく前に走行中に負った怪我が癒え切っていないので今回はブレストまで行ってそこで計画的にDNF、そちらでご家族と合流して観光旅行をするのだとか。そろそろ一時間を切るのでスタートチェックを受けるべく、受付を探しているのだそうだ。”ここでの開催は今回が初めてだから勝手がわからないんだよねえ。”By Hideさん。なるほど二回目、三回目の参加者であってもランブイエからスタートするのは今回が初だものなあ。

ブルべカードにスタッフがスタートのサインを書き入れてくれるコントロール(チェック)があるはずだけれど見当たらない、確認してみるとどうやらスタート地点近傍にあるらしい。
”もうすぐスタートだからそっちに移動します!”Hideさんが先にスタート地点へ。わたしのスタートはその45分後なのでもう少々余裕がある。
すると田中会長と行き会ったのでしばし二人でその辺をうろうろしたのち、早めに行って悪いことはないということでスタート地点に移動することにした。うまくいけばHideさんのスタートを見送れるかも。

19PBPb21.jpg
スタート地点へ

スタート地点脇の芝生エリアに到着したもののスタートチェック周囲はごった返していてとてもHideさんのお見送りのために近寄れそうにないので断念。

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午前中の雨が嘘のように晴れた空
午前中の雨がどころか朝確認した時点ではこの後雷雨予報だったのだけれどな。

19PBPb23.jpg19PBPb24.jpg
日本人参加者もちらほら

400人近くいると同じ日本人でも全く接点のない人も多く、顔と名前が一致する人と顔だけは見かけた記憶があるような人を合わせても2、30人ほどしかいない。そもそもスタート時刻がまちまちでばらけてしまっているということもある。結構な人数の日本人の中で見知った人に声をかけてあれこれ雑談したり。
その場にいる人たちは概ね90時間組最早スタートのGグループを筆頭にJとかKくらいまでの早めスタートのグループ。

スタート地点は三叉路になっていて、スタート方向以外の二つの通路に後続のスタートグループが交互に待機するスタイル。D組がスタートしていってE組が集結をほぼ終了し、F組が集まり始めて来た。
19PBPb25.jpg
F組はリカンベントとかトライクとかタンデムとか

G組集合前にその場にいた日本人参加者で集合写真撮影
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念のために配慮

時間になったのでG組が移動。
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G組待機場所へ

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スタートチェックを受ける田中会長

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スタートゲートをくぐる
いざ往かん!まずはブレストへ!!

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ランブイエの中心部を抜けるとすぐに民家もなくなる

当初は田中会長、15氏、わたしというパックで走っていた。
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一つ目か二つ目の街
ラウンドアバウトを曲がり損ねて道端に立ててあった三角の反射板に突っ込んでしまい、バキバキ音を立ててぶっ壊して走り抜けた15氏。
15:うわぁああ!!!
とり:なにやってんの!?大丈夫?
15:プラスチックだったから助かりました~!
とり:ひでぇ、さっそく海外で迷惑行為かよ!!(笑)
15:弁償しなきゃなりませんかね?
会長:まあACPか自治体が払ってくれるんじゃない?
とり:まったくもう、のっけから笑わしてくれるわ!!!

そんなこんなで15氏をいじりつつ笑いながら走っていたわたしではあったが「人を呪わば穴二つ」とか「人の振り見て我が振りなおせ」とかいう先人の非常に重い言葉を実感するのはそんなに先のことではなかった。
っていうか呪っちゃいないけれどな!

しばらくは日本人パックで走っていたのだけれど、三人組の台湾人ライダーと思しきパックにパスされた辺りで15氏にスイッチが入り単独で追い始めたのでお付き合いでわたしも追走してみた。
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平和な時間もつかの間であった

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19時頃でこの明るさ

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三人パックに追い付く
しばし追走。巡航速度は30-35KPHくらい。
AH2400同様ドロップバッグ不使用で携行荷物フルロード状態のわたしにはこのペースは少々きつかったけれど、まあどこまで付いて行けるか行ってみようと考えてみたのが悲劇の始まりであった。

それにしてももうちょい走力欲しい、っていうか普通に痩せたい。

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2023Jun18Sun

【出国から】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-01【てんやわんや】 

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自分用のお土産
ウール混紡のジャージとサコッシュ。
色合いがシックで国内ではなかなか見かけない。

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既にイベントが終了してから丸二週間強ほどが経過。
時差ボケこそほとんど感じなかったもののやはりわが身にとっての初の海外ブルべ、しかも四年に一度しか開催されない歴史と権威と盛り上がりが世界最高峰と言われるそれを走って来たので心身共に少々お疲れもモードで若干浮世離れした感もありましたがようやく落ち着いて来ました。
この、生涯に何度もあるようなものではないイベントについてのんびりぼちぼち記録を残しておこうかと。とはいえ今回ホントに記憶が曖昧で、まず土地の名前が覚えられなかったので遭遇した出来事がコ-ス上どの辺であったのかが非常に不鮮明。大体において全行程ほぼ変わり映えの無い単調な景色の中を淡々と走るので記憶が風景に強く紐付けられることが無く、脳内にふわふわ浮遊しているような感覚だったり。
そんな訳で時には時系列がおかしなことになるやもしれませんが、個人的な備忘録として書き出してみようと。どうも流れ的に四年後再挑戦することになりそうなので、その辺も踏まえ。
恐らく数回に分けるこのエントリの途中途中で他のイベントに関するエントリが挿しはさまれることになるとは思いますがのんびりじっくり。

航空機の手配こそ早々に済ませていたものの、ホテルの手配を後回しにしてしまっていたわたしは特に誰かと示し合わせることも無くBooking.comを使って単独でホテルを予約。前回までの発着地点でもあるサン=カンタンの南西にあるVoisins=le=Bretonnexという街のLe Relais de Voisinsというホテルを期間中通しで予約。
万が一のDNFの際泊るところが無いのはしんどいし、荷物を一時預け等するためにはまとめなければならないけれど、通し予約ならとっ散らかしたままでも無問題だし。
この辺は複数人で予約して一部屋だけ荷物部屋とすればコストを削れるけれどスタ-ト前に荷物をまとめなければならないのは同じこと。
事前の下調べが面倒くさかったので宿同様Booking.comで空港からの送迎タクシ-も併せて予約。往復約¥30,000-だったが、別エントリで後述することになるけれど正直これは必要なかったというのが今回の学び。まあ、何事も経験よね。

わたしの旅程は往路が羽田発8月16日(金)10:40のJAL45便、復路がシャルルドゴール発8月23日(金)20:30のJAL46便でどちらも直行運行の便であった。これはこれで諸般の問題があったのだけれどこれまた後述。
往路の便はAJ理事のべいさんと一緒。羽田にはばんばんさんがお見送りに来て下さったり。8時半を少々回った頃JAL手荷物預けカウンター前に並んだら五組くらい前がべいさんで、行列が折り返す時等あれこれ言葉を交わしつつ。
すると空港係員が、大型の荷物を携えている乗客のもとに来て手続き時間短縮のため予め手荷物の三辺寸法を測りに来た。JALの預け荷物制限は三辺合計203cm以内で、超過すれば一個当たり¥20,000-の追加料金を徴収される。
事前の飲み会の際にその話題が出て、わたしは当のべいさんの助言に従って荷物縛り用ナイロンベルトを調達して輪行袋、OS500を縛って来ていたが、べいさんの輪行袋は何がそんなに入っているのかと思うくらいにパンパンで、わたしが辛うじて三辺合計203cmで収まっていたところ彼は230cmオーバ-と言われてしまったらしい。
更に受付カウンターで食い下がったらしいけれど、今度は別の係員が出て来て再計測の結果244cmという数字が弾き出され、見事に追加料金を徴収される羽目に。
”(普段は青組=ANA利用なのにゲンを担いで)赤組(=JAL)にするんじゃなかった!”と愚痴るべいさん※ANAは自転車の場合、事前確認が必要ながら三辺合計寸法292cmまでは超過料金なしで預けられる。
自転車を預けてからお見送りに来てくれていたばんばんさんと三人で軽くお茶。
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ば:で、二人の旅程は?
べ:ゴールして観光もしないですぐ、金曜日に帰って来ますよ。
と:あ、それじゃいち日違いだ。オレ土曜日。
思い出しながら書いていて、こんなところにフラグが立っていたことに気が付いた。

そろそろ時間なので搭乗ゲートへ向かうべく移動。
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ばんばんさんのお見送りを受けながら出発ロビーへ。
機内持ち込み手荷物検査。”大量に粉飴(マルトデキストリン)を持ってきているから引っかかると面倒だなあ。”とか語っていたべいさんだったけれど、その危惧の通り案の定引っかかる。とはいえ彼の弁では事前に心配していた粉飴ではなく髭剃り(T型カミソリ)の刃が引っかかったらしいのだけれど、どこにしまい込んだのかわからなくなって持ち込み荷物をほぼ全部ぶちまけるありさま。
撮影禁止エリアなので画像付きツィートを流せなかったのが非常に心残りではあった。

べ:さすがに飲まなきゃやってられませんよ、ビール飲みましょ!
と:おつまみ代くらいごちそうしますよ♪
ビール二杯とたこ焼きひと舟を調達。
そんなこんなで出発ロビーでビールを飲んでいたらヒデさんが通りかかり”搭乗案内始まる時刻だけどまだ行かないの?”とツッコミを受ける。
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ビールを飲み干し搭乗口に移動。
同じ便を利用する陳さんにも会ったりして、なかなかにぎやかな搭乗、いざフランスへ。
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羽田から離陸

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機内食
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ひたすらお替りして都合五本干した赤ワイン

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シベリア上空

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フランス上空

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11時間ほどのフライトの後フランス、シャルル・ド・ゴール空港に到着。
あらかじめ手配してあったタクシーとの合流に少々手間取ったものの無事Le Relais de Voisinsに到着、チェックイン。
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ハイウェイ利用で一時間ほど

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二階建てのホテルの一階が自室。
「自転車部屋」も同じく一階にあり、外部から直接アプローチできるようになっている。ホテルのマダムから”お部屋も自転車のすぐそばだし出入りもカンタンでしょ♪”と、案内された。
輪行袋から自転車を出し、あれこれ準備を整えていたら時刻は既に21時を回っていたので空港で買い込んであったサンドイッチとジュースで軽い夕飯を済ませて就寝。

明けて土曜日。
五時過ぎに起きてホテル周辺を小一時間ほど軽く散歩。
若干天候が微妙だったものの天気予報を見る限りではどうにか降られずに済みそうだったし、まだフル装備で走ったことが無かったのでテスト走行もかねて自走でランブイエに向かう。
ホテルを出たのは8時過ぎ頃。
「前日車検」の申し込み時刻が10:15で、ホテルからランブイエのスタート地点まで30km弱。少々迷ったりすることを考慮して二時間の移動時間で考えた。

ホテルからランブイエまでは自然公園内を突っ切るなかなか気持ちの良い道。
ホテル→畑→自然公園→町→畑→森→畑→ランブイエ…という記憶。
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五分も走れば街はずれ

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「ランブイエ」を示す標識の下で記念撮影

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自然公園内を突っ切る
思いの外下るので帰りを思うとうんざり。

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幾つかの街を過ぎる
ランブイエの隣町辺りまで来るとPBPの横断幕。
気分が乗って来る。

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ランブイエに到着
今回パヴェらしいパヴェはここでしか経験しなかった。

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キャンカーいっぱい

ランブイエ城とその周りの公園が今回のスタート/ゴール地点で前日受付もここ。
やたらと行列が長い。
こういう混雑を避けるために受付時刻希望を事前に申請したのではないのか?と思ったけれど、既に受付を済ませて通路脇にいたハヤシさんが言うにはどうも時間通りに来ている人はほとんど皆無らしい。さすがというかなんというか。
因みにイーチョねーさんが誰よりも早く車検を受けたらしい。
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並んでいる間に雨脚が強くなってきた
前日どころか当日朝確認した天気予報ともまったく異なる空模様。
今回強く感じたのはフランスの天気予報が全くと言っていいほどアテにならないということ。数時間先の予報も外しまくりやがる。
雨に打たれながら長い行列の遅々とした流れに乗って移動していたら、既に車検を済ませた田中会長け-こ隊長じぇんさんらから声を掛けられた。

車検を済ませ、事前に注文してあったジャージやベストの受け取りを済ませたところで田中会長、マヤさんと合流。マヤさんは、その顔の広さからブラジルを始めあちこちの国の参加者から声を掛けられ、なかなか移動できそうにないのでわたし、田中さんの三人が各々別々に行動することに。
そのあとすれ違ったひらまつカントク”このPBPグッズ一式買っちゃったよ!やっぱり四年に一回はぱぁっとお金遣っても許されるからね!”と、ブルジョワジィ極まる発言をしてにこにこしながら去っていった。
触発されてショップに赴いたものの、さすがにカントク同様の散財まではできず、キャップとバンダナ(?)を含む四種あったアイテムの内ジャージとサコッシュを購入し、これまたカントクご一行が飲んでいた量り売りのフレッシュジュ-スを購入してちびちび。
カップはリタ-ナブルなので返却すれば1ユ-ロが戻って来るけれど、折角のPBP柄なので洗って持ち帰り。
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ジュ-スとサコッシュ、ジャ-ジ

一応予定では17時から有志で集合写真を撮ろうということになっていたので一旦ランブイエの街に戻って時間を潰そうと考え移動。
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こんなのも参加する

街のブランジェリーで何か買って表で食べようかと思ったものの、目星を付けていた一軒はやたらと混雑していたので寄るのを諦め、街の中心部の広場に出店していたお菓子の屋台で甘いものを購入してみた。
注文して商品を受け取ろうという段になって台湾のHanaさんがこちらに気付いて声を掛けてくださったり一緒に記念撮影したり。
どこかその辺で食べようかと思っていたところ、雨脚が強くなり始めてしまったので休業中の焦点の軒先を拝借して雨宿りしつつ菓子を頂く。
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エクレアとチ-ズケ-キ、ミルフィーユっぽいもの
食べ終わってひとまず落ち着いて、さてどうするかというところで偶然YO-TAさん他数名と合流したので広場にあるカフェで紆余曲折がありながらもサンドイッチとコーヒ-を頂いた。
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多分わたしが頼んだものと違う

その後の予定を聞いてみたら皆さん集合写真撮影はブッチして宿に戻るということだったのでわたしも戻ることに。電車で輪行するという面々と別れ、来た道を単独で引き返す。
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宿への帰路半ばくらいで雨脚が弱まって来た

宿に着いた頃にはすっかり雨が上がっていたので近所のショッピングモールに移動して夕食を買い込み、濡れた靴を乾かす。
ウェアは余裕があったけれど靴は一足しか持ってきていない。
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ドライヤーを突っ込んで強制乾燥

翌日のスタ-トは17時15分(※実は17時30分だった)なので少々深酒しても問題ない…ということで調子付いてワインを二本干したら寝落ちしていて深夜に目覚め、ベッドに移動して寝直すという、日本にいようが海外にいようが様式美としてのお約束行動もありつつ本番前夜が過ぎて行った。

<走行ログ:前日車検及び当日スタート前移動分>

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2023May24Wed

【ある意味】BRM713宮城1000女川龍飛 走行記録-概要【麺類1000】 

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「アルバム」の表紙にも設定してある
龍泊ライン南下時の月夜の海。
今回の1000は昼も夜も本当に天候に恵まれた。

関連:走行時撮影画像一式⇒BRM713宮城1000女川龍飛(GRⅢ)

山岳も厳しいアップダウンもありません、PBP前の足慣らしにどうぞ。

こんなうたい文句に引っ掛かったわたしもどうかと思うのです。
結果としてどうにか無事完走することが出来ましたが、危うく「肩慣らしにブルペンに行った投手がそこで肩肘痛めて試合登板回避」みたいな流れになるところでありました。

いやはや危ない。
「積算標高の数値はコースの厳しさに必ずしも直結するものではない」ということは今年初っ端(っていうか昨年末)にイヤというほど再認識したばっかりだというのに。

R宮城主催のブルべは、青森、盛岡、北上の各都市に各々一年くらい、昨年は名取に四か月ほど滞在した身にとっては馴染み深く土地勘もそこそこあるところを通るコースも多いので常日頃から参加してみたいと思いつつもなかなかかなわず、結局2013年の【東北1000】以来ようやく二度目。
二度しか参加経験が無いのに二度とも1000というのもなかなかアレよね。

そんな1000kmブルべの記録をざっくりとかいつまんで以下。

<実走行ログ(トンネル補正無):2019/07/13-16>

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昼過ぎのこまちで一路仙台へ
この時点で元々計画していたはやてに乗り遅れてしまっている。
なかなか不安なスタート。

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仙台駅での乗り換え時間を利用して一杯

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石巻到着
ここから女川に向けたローカル線乗換だったけれど、トイレに行きたくなって一本見送り。一時間待ちとなったので途中下車してサイボーグたちの像を全員分チェック。
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こちらは駅構内

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女川駅到着
当初計画より三時間遅く、しかも諸事情あって更に小一時間ほど無駄にしてしまって下調べ済みのお店にお邪魔することあたわずなのであった。

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スタート受付
自宅から四時間以上かけて到着した東北の地だというのに東京近郊でのブルべ並に知り合いが多い。エントリー総数は100を超えていたもののDNSがあって実際に出走するのは90名ほど。それでもなかなか壮観。

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北上川沿いを北上
前半は北上川を源流まで辿る。
この区間は若干の向かい風。

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長閑な田舎道といった風情

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個人的な写真チェックポイント
ここを通過するときは必ず撮ってる。

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いかにも夏空といった感

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夕暮れ時の岩手山

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麺類-01:じゃじゃめん
PC1に待機していたスタッフのじょいさんとあれこれ話した結果、NHK岩手放送局近くにある羽琉へ。じゃじゃめん大(二玉)を頼んでしまって量の多さから以後走行中に少々苦しんだ。
それにしても岩大工学部そばの天下一品ラーメン店舗が、同じくラーメン屋ながら別のお店に変わっていたのを目にして”天一がなくなってしまっていた!”とか思ったけれど、なんとなく数年前にもそんなことをツィートしたような記憶がほのかによみがえって来ている。何のときに目にしたんだったかな?

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起き抜けにミヤマクワガタから威嚇される
道の駅のベンチで仮眠して起きたら足元にいた。

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二日目の朝は真っ白な濃霧
左は久慈に向けての下り、右は種差海岸。
ダウンヒルだったので霧自体で視界が遮られるうえアイウェアに付着した水滴でも更に視界が悪化するので非常に怖かった。
トップチューブバッグに入れてあった予備のチコリンパフがレンズをぬぐうのにお役立ち。チコリンパフのご利益である。

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白身三種、ウニいくら三昧、鮭といくらの親子寿司
八食センターの回転寿司店に開店待ちで10時に入店して約30分ほど。すっかりお腹を満たしてリスタート。

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浅虫付近の海
青森市内、合浦の辺りで気温(電光表示)が25℃、泳ぎたさマックス。

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善知鳥神社と青森市森林博物館に寄り道
いずれもチコリンさんおススメスポット。
善知鳥神社では令和元年限定頒布の御朱印帳を拝受。森林博物館は映画「八甲田山」ロケに利用された建物である。

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麺類-02:煮干しラーメン
PC2の手前、おろちにておろち煮干し中華・濃い口を。

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鋳釜崎から龍飛方面を望む
龍飛まで約22kmの地点。
丁度龍飛周辺だけ雲、霧が切れていてなかなか荘厳。

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龍泊ライン南下中
あちこちで「竜」の字が「龍」に書き換えられていた。
勾配もさることながら濃い霧と暴風でかなりおっかなびっくりの走行になった。10%ある下りの坂道で爆風追い風とか恐怖しかない、しかも深夜。

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朝の岩木山

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麺類-03:二八そば(+ミニホルモン丼)
鹿角のJA産直センターにて。
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デザート:北限の桃ソフト
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携行補給食:青森産茹でトウモロコシ
買うつもりではなかったけれど、手に取ったら茹でたての温かさを感じたので衝動買い。甘くて柔らかくて非常に美味しゅうございました。

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鹿角の山間部にはそば畑が広がる

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せやな~。

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麺類-04:横手焼きそば(肉玉ダブル)
遅くまで営業しているお店を一軒知っていたのでそちらへ。
でも、このシチュエーションが猛烈にデジャヴなんだけどなんでだ?

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月明かりの中を走る

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最終日の朝を迎えた

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奥に連なって見える橋梁におののく

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栗駒山
新緑が目に(だけは)優しい道だった。

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行き倒れ
声かけても返事なかったから熟睡してた。

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最終日の朝も濃霧
栗駒山ピーク付近で一緒になったAZUさん”この先雨かも知れんなあ。”と不安を煽って来たもの幸いにしてほんの少々ぱらついた程度。

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1002.6km地点のゴールに無事到着
レシートのタイムスタンプは2019/07/16/08:45なので所要は70時間45分。
問題が無ければこの時間で完走認定が受けられる。
そしてこの後、古川駅まで自走移動して10:06発東京行きはやぶさに乗り込み東京へ。13時には本社自机に着席していたという社畜である。
15時からの研修が無かったらねえ。。。

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麺類-05:焼き塩ちゃんぽん
勤務先最寄り駅の大崎駅構内で昼食。

ホントはもうちょっと早くゴールして、西大崎駅(宮城)から乗り込んで大崎駅(東京)まで帰りたかったんだけれどね、ネタ的に。

という感じでざっくり概要をば。
これもまたじっくり書くとやたらと長文になりそうだから困る。

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2023May24Wed

【私的1000km】BRM511たまがわ400石廊崎 認定試走-03【8分延着】 

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それまで散々降っていた雨がゴールに辿り着いた途端に上がり
あまつさえ自宅に向けて走り始めたら日が差して来たりして。
本番はかなり良好なコンディションだったようなので
典型的な「試走担当者のみそぎ」ですね。


写真チェックポイントをリスタートしたのが想定クローズ時刻の約15分前で、通常であればこのくらいマージンがあれば少々気が休まるのだけれど、この先は今まで単純に折り返していたものの今年は新たにあいあい岬方面を回ることになっており、過去に走った経験がないこの区間を事前にチェックしたところではなかなか厳しい登りがある区間であるためオンタイム(=15KPHペース)で走り切れるかどうかが非常に怪しい。

そそくさとリスタート。
集落内の細い路地に入りしばらく進むと民家が途切れ、道は急勾配の坂に変わる。
雨がしとしと降る中淡々と坂道を登って行ったところ、左手の茂みから転げだすように飛び出してきた二匹の小動物が、わたしが照らしている明かりに驚いたように一瞬動きを止めてこちらを窺い、再び動き出してからはじゃれているのか喧嘩しているのか、ギャアギャア騒ぎながら右手の茂みの中に入り、すぐ飛び出してきて再び左手の茂みの中に姿を消した。
街灯は全くなく、雨が降っているため月明かりもなく、ぬれた路面に乱反射して前照灯の効果が低い、真っ暗な中を淡々と進む。
試走を担当したHideさん伊地知さんのツィートには眺めの良いあいあい岬付近の風景写真等が添えられていたものの、雨の夜ではそんな景色を楽しむべくもなく。

しばらく進むとコウスゲ公園管理棟と思しき建物の灯りが見え、公園を過ぎると下り坂。
トンネルをくぐると小さな集落があって、下調べが甘かったのでようやく坂道が終わるのかと思ったら再び登り坂が現れて思わず呪いの言葉を口にした。

因みにこの集落を何というのかと思って調べてみたら南伊豆町中木だったものの、地図で見るとあいあい岬を含む県道16号沿いの細長い土地が別の集落になっている。更に調べてみたら隣の入間集落に所属しているようでなかなか興味深いものがあったり。
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中木集落と入間集落

雨の中再び登り返してようやく下り、見覚えのある二條交差点まで到達。
この先はPCのコンビニまでほぼフラット区間なので必死に回す。おそらく時間はかつかつのはず。
ようやくPC3に到着したのは案の定クローズギリギリなのであった。
PC4(219.1km)
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20:53/Close21:06
マージンはたったの13分。
折り返しでこんなに少ないマージンでは疲れからペースが落ちてしまう後半もあまり休憩できないという、なかなかしびれるシチュエーションである。

あとはひたすら戻るだけ。
(走ったことの無い区間は終了したので大体のコースプロファイルは頭に入っているし、後はコースコンディションがどこまで悪影響を及ぼすか「だけ」。)
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
下賀茂から下田を抜け、河津、稲取、熱川、伊豆高原、伊東…と、激しく降りしきる雨の中ひたすら淡々とアップダウンを繰り返し、伊豆多賀のPCまで戻って来た。

PC5(294.7km)
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30/1:41/Close30/2:10
どうにかマージン30分まで回復。
相変わらず雨脚が強く視界が良くないのでダウンヒルで稼げない。
とはいえ小田原まで戻れば後はフラットな区間なのでどうにかなる…と思ったところで思わぬ(?)障害。睡魔の波状攻撃なのであった。
やはり600kmのブルべを走ってから150kmほどの距離を運転した後睡眠四時間ほどで挑むのはわたしの体力的にはなかなかハードなものであったようである。

2、30km程度ごとにコンビニに立ち寄ってコーヒーを飲んでみたり、走りながら歌を歌ってみたりしたものの一向に睡魔は散らず、ストップアンドゴーが増えるのでいたずらに時間だけを食い潰してしまっている状態。気温はそれほど低くないので天気さえ良ければ道端に転がって仮眠という手も考えられたもののあいにくの雨。あれこれ考えながら進んだところで透明なポリカーボネートで三方を囲われた屋根付きバス停が目に入ったのでそちらで休ませていただくことに。
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当然ながらとっくに終バスは終わり、始発バスもまだ来ない
生憎ベンチは横たわれるような作りになっていないので座った状態で目を瞑ってしばし休憩。
時間を計り忘れたけれどおそらく15~20分ほどその場で休憩し、多少すっきりしたのでリスタートしてみたけれどやはりまだ少々眠気を引きずっていたので真鶴駅前のベンチでも同様に15分ほど休憩。
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真鶴駅前ベンチ
真夜中でも煌々と照明が灯っているので夏場は羽虫が集まってきてかなりしんどいけれど、雨が降って気温が低めだったおかげでほとんど悩まされることは無かった。

真鶴をリスタートしたところでようやく眠気が散ったので改めてペースアップ。
その時点では若干オンタイムから遅れている借金状態。
周囲が明るくなってくるとようやく気分が乗ってきて、そこそこ脚も回るようになってきた実感がわいてきた。ところが小田原を抜け、大磯方面に向かって走っているとき、念のためにコーヒーでも飲んでおこうかと思ってコンビニを探してちょっと進行方向を確認し始めたところ、ハンドルに妙にごつごつとした違和感が。恐る恐る確認してみたら案の定前輪パンクなのであった。

グロスで18KPHくらいのペースで押さないと次のPCに間に合わないというタイミングでのパンク。一瞬DNFも脳裏をよぎったものの、離脱しても濡れネズミではどこに避難するというのかと腹を括ってパンク修理。
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おそらく自分史上最速のパンク対応だった
CO2ボンベでエアを注入したらボンベが雨で一瞬凍り付いてちょっと難儀した。

残り時間と距離を勘案すれば20KPHを下回るペースで走ると間に合いそうにない。
最後の最後になって時間に追われるギリギリ隊状況で走らねばならんとは。
R1からR134へ。
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腰越橋を左折して信号峠の連続区間へ

eTrexに表示されているPCまでの残距離と、現在時刻を照らし合わせてペースを確認しつつ、ギリギリ間に合うか間に合わないかというタイミングであることを改めて認識。途中、うっかりミスコースまでしてしまって時間をロスし、際どいタイミングでPCに滑り込み。

PC6(368.5km)
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30/6:59/Close30/7:06
このタイミングでマージン7分。

取り敢えずここまで来たらメカトラさえなければゴール延着は無い。
やや気持ちが軽くなってリスタート。

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雨に煙る横浜ランドマークタワー

相変わらず路面が荒いR1を北上し、多摩川を渡る。
右折すればほんの2km半で自宅だというのに左折して二子玉川に向かう。二子玉川発着で三浦や伊豆に向かうブルべの際、ヤラレ気味で帰ってくると右折して帰りたくなる非常に悩ましいポイントをなんとかやり過ごしてようやくゴールに到着。

Goal(405.5km)
19043006.jpg
30/9:08/Close30/9:30
どうにかこうにかゴールに帰着。
認定時間は26時間38分で、4/27/6:00の興津600スタートから起算すると75時間8分となってしまって残念ながら1000kmの制限からはタイムオーバーなのであった。

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ひたすら雨中ライドだったので手指がしわしわ

ところがゴール直後に雨が上がり、帰宅途上では日が差す場面も。
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ゴールした途端に雨上がる

私的スタート専修寺関東別院前着
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平成31/04/30/10時ちょい前
こうして「平成最後の認定試走」が無事終了を迎えたのでありました。

【おまけ】
帰宅してシャワーを浴びて洗濯機回して、お昼過ぎから肉を食らいに川崎へ。
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ワイルドステーキ450gと
(画像ないけれど)ワイルドハンバーグ300g

駅前で少々時間を潰して開店早々いつもの立ち飲み屋さんへ。
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明るいうちに飲むのはシアワセとしか言いようがない

いったん帰宅して落ち着いてからのんびりお風呂に
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黒湯温泉でのんびりケア

世間では10連休とにぎやかではあるものの、わたし自身は翌日5月1日までがお休みの五連休。
その連休最後の一日は翌週試走をすることになっている【BRM525神奈川300直江津】のコース下見を車で行うことになっていて、短いながらもみっちり予定の詰まった有意義な連休なのでありました。
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2023May24Wed

【甘夏ゼリーと】BRM511たまがわ400石廊崎 認定試走-02【金目鯛茶漬け】 

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網代の間瀬本店にて
甘夏ゼリーと柏餅をいただく。
緑と橙の彩りが非常に目に鮮やか。


渋滞車列の脇を慎重に抜ける。
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初島と伊豆大島
雲が多いのは仕方がない。そもそもが雨予報だ。

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ある意味通過チェックな間瀬本店
511の昼過ぎにサイクリストが複数名立ち寄るはずだとお店の方にお伝えしてみたところ、お店の方に”あら、いつもはお昼前なのに今回は遅いのね~。”と言われたり。
「いつも」というのはAJ神奈川だったりAJ西東京だったりを指すので”いやあ、今回はいつもより50kmくらい遠いところからスタートするんで2、3時間遅いんです♪””あら、そうなの。”
すっかりお馴染みなので「自転車で50km」という部分に対して驚きを示さない。
ここ間瀬本店さんは、フロアポンプの貸し出しをしてくれたり、二階の事務所スペースにあるトイレをサイクリストが靴を脱がずに利用できるよう大型のスリッパを用意してくれたりしているところなのでブルべ走行時に限らず、自転車で立ち寄る際にはマナーをわきまえて利用させていただきたいものである。
※通常利用時にマナー度外視で良いと言っているつもりはない。

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甘夏ゼリーと柏餅(粒あん)をいただく

徐々に怪しさを増す空模様を眺めつつ先に進む。

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手石島
いずれオープンウォーター練で往復したいと思いつつなかなか実現しない。

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汐吹岩付近とその先

いわゆる「川奈への急坂」を登ってゴルフ場脇をえっちらおっちら。
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川奈から富戸方面に抜ける道はいつ通っても好き

PC3(151.5km)
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16:20/Close16:38
大渋滞の影響もあって思いのほかマージンが増えないので実は内心若干焦っていた。

ここで天気予報を確認。
南伊豆方面は18時以降の降水確率が70%と表示されていたのでこの先確実に降られてしまう。夕食をいただくにしても雨に打たれて濡れネズミな状態では飲食店にお邪魔するのもはばかられてしまう…ということで距離と残り時間を勘案して片瀬白田の海鮮料理店、一心さんにお邪魔することに。
時刻は17時半頃、30、40分で食事まで終了したらPC3までグロス18KPHペースで走れば十分間に合うと計算していた。
先客は二組、内一組には料理が供し終わっていて、もう一組の料理もうじき準備が整いそうであることが見て取れる。軽く勝利を感じつつ名物の「金目鯛茶漬け」を注文。
アツアツの石鍋の中の金目鯛の刺身を載せたごはんに出汁をかけて供される。

こちらのお店ではサービスで、注文した客のカメラ(携帯)で調理過程を大将が撮影してくれる。厨房内に一般客入れる訳にいかんし色々危ないし。

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石鍋をガンガン炙る

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テーブルに供されたところ
この後大将が出汁を回し掛けして全体をかき混ぜてくれる。

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混ぜ合わさったところ
風味の効いた出汁と半生に火が通った金目鯛が非常に合う。

すっかり堪能しておいとま。
天気予報通り小雨がぱらつき始めていた。まだレインウェアを着なくてもやり過ごせそうな雨脚だったものの、濡れてから着替えるのは愚策と判断してお店の前で雨装備を装着。

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準備しているときに大将が一枚撮ってくれた
準備中なのでシューズカバー片方付いてない。

この先はひたすら雨中ライドとなった上、夜間走行になったので極端に画像が少ない。

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いつものように伊豆稲取

雨が降りしきる中、日がとっぷりとくれてしまった東伊豆の海岸線を淡々と進む。
下田駅前を通過し、いよいよ輪行で引返せない区間に突入。
弓ヶ浜との分かれ道を右折して石廊崎に向かう、街灯がほとんどない真っ暗な区間に突入。
小さな集落を二つ三つ過ぎれば石廊崎漁港へ向かう分岐。

写真Chk(206.3km)石廊崎漁港
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20:15⇒20時丁度頃/想定Close20:14
ようやく半分まで来た。
挨拶がわりに気が向いたら押してやってください。
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