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日記超。-改・弐-

  : 

自転車だったりマラソンだったりトライアスロンだったりお酒だったり。

2023May24Wed

【雨のオホーツク】AH2400 走行記録-08【嵐の知床】 

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主催者からの知床峠の夜間通過自粛指示を受け
思いもかけずのんびり過ごせる夜となってしまったので
AH2400期間中唯一の飲酒機会が訪れた。

AH2400走行記録-07 より続く / 全走行ログ⇒こちら

【2018/08/16(木)】
道の駅おうむのベンチでの思いのほか快適な仮眠からあけ、すっきりした状態で目覚めたのが三時過ぎころ。前夜立ち寄ったセコマにもう一度立ち寄ろうかと思ったものの地図を確認したらすぐそばにローソンがあったのでそちらに。
レギュラーコーヒーが飲みたかったのと不要になったモバイルブースターをレターパックで送り返したかったのが理由。
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温かいコーヒーを飲んで落ち着く。

寝ている間にリュウさんひとみさんが7時にコース沿いの7-11で落ち合ってリスタート予定という連絡が入っていたのでそちらに移動開始。
リスタートは四時頃で紋別までは約50km、時間的な余裕は充分なのでのんびり走りたいところだったけれどひたすら降り続く雨に辟易とさせられる。
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徐々に明るくなって来たけれど雨は相変わらず。


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旧国鉄興浜南線
1985年に廃止された路線。

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雨で霞む景色

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そして相変わらず荒ぶっているオホーツクの海

そんなこんなで紋別市内に差し掛かるとコース沿いにものすごく立派なバス待合所を見かけ、(雄武で力尽きなければこんな高級ホテルがあったのに!)と非常に残念な思いに駆られた。

6時半過ぎ頃集合場所の7-11に到着し、おにぎり等で朝食を済ませて食後に温かいカフェラテをすすりつつのんびり…というには程遠い。建物の軒下になる部分は非常に狭く、建物外壁にぴったり背中を着けて体育座りをしていても膝から先は雨に打たれる。
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そんなこんなで時間を潰していたら集合時刻5分前くらいにジャージ姿ながら傘をさして歩いて来るひとみさんの姿。
”腱鞘炎の影響で手首が痛くてブレーキレバーが引けないの。さすがにこれ以上は危険だからここでDNFすることにする。”
耳を疑った。
”リュウさんには昨夜その話はしたんですか?”
”ううん、ひと晩休んだら回復するかと思ったけれど、ダメだったから今朝決めたの。”
言葉に詰まった。
ここまで1,500km走って来て残りは1/3強。
ここまで来たのなら!という強い思いもあろうけれど、それでも安全に走行してゴールに辿り着く自信がないという判断に基づく苦渋の決断。
自分自身がRD破損の際相当な葛藤を経験したのでかける言葉がなかなか見つからなかったが、こんな時気の利いた言葉を思いつけるほど器用ではないのでごくごく現実的なお話を。
”宿キャンセルしていないならこの先二泊分はオレが引き継ぎますよ。レディース割引とか利用していませんよね?”
”キャンセルしていないし通常予約だからトリさんでも行けるはず。”

しばらく経ってリュウさんが合流してひとみさんから事情説明。
リュウ:よし、今日からトリさんは「ひとみ」さんです。設定はJK!

は?


その日は紋別に一泊してからゴール地点の帯広に移動する手段を考えるというひとみさんを残し、リュウさんとわたしの「さいたまがわパック」でリスタート。雨の中まずは網走を目指す。

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紋別のオホーツクタワー
今回、初の紋別訪問だったというのにここと巨大カニ爪を眺めに行く余裕がなかったのが悔やまれるがこの天候だし仕方のないところ。
時々弱まってぬか喜びさせては再び雨脚が強まるという非常にいやらしいコンディションの中ひた走る。
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湧別大橋

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天候に恵まれたらまた印象がガラリと変わるだろうなと思いつつ。

しばらく進むと道は海沿いから内陸へ。
まだ視界には入っていないけれどサロマ湖南岸に差し掛かっているはず。
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少々進んだところで道の駅 愛ランド湧別に立ち寄り小休止。
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温かい缶コーヒーが無くて少々落胆した。

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(Photo:リュウさん)
あればやらざるを得ないお約束。
やたらと顔が黒くて浮くかと思ったらウェアと同化してしまって意外と違和感がない

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しばしの休憩の後リスタート

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小麦畑がいい感じだったのだけれどこうしてみるとナニコレ?って感じになる。

それまでもちらちら見えていたけれど、いきなり視界が開けてサロマ湖岸へ。
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岸近くが帯状に一定の幅で濁って見えるのは雨だからなのか、はたまたもともとこういう見え方をするのか。多分前者なのだろうけれど。

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晴れていたら気持ちの良い田園風景だったのだよ、きっと。

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サロマ湖岸を離れていよいよ網走へ。

とにかくまあ、酷かった。
水溜まりだらけでどこを走れば良いんだよ!?というリュウさんの悲痛な叫びがそのまま動画として残っている⇒その時の動画

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もうね、海なんだか湖なんだかわからないけれど多分能取湖のはず。

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能取湖畔にある網走市鉄道記念館
旧国鉄湧網線の卯原内駅跡

結構な雨風に翻弄されてようやく網走市街地に到達。
当たり前のように網走刑務所もスルー。
とても観光なんかしている余裕ないし、そもそもびしょ濡れで施設に入れない。

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PC6 ローソン網走大曲(1808.9km)
2018/08/16/12:40頃
地図を見ればほぼ真っ平なこの区間、紋別の7-11を出てこのPCまでの104kmを走るのにまさか五時間半もかかるとは思わなかったと当時ツィートしたものだったけれど、本当の地獄はこの先に待っていたのであった。

補給もそこそこ、待機してくださっていたヨシダさん、ヤマグチさんとの会話もそこそこにリスタート。今、冷静に考えるとかなり厳しい行程だけれど開陽台まで一気に走る気でいたのだこの時は。

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いやもう、ひたすら荒ぶっていたオホーツク海

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とにかく雨風キッツい訳です。

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ライトな鉄ヲタ的には釧網本線の車輛が通りかかるのを期待したけれど、現実はそう甘くなかった。

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トウフツ湖とオホーツク海に挟まれた細い陸地を進む感じが非常に心躍るシチュエーションだったのだけれどいかんせん空模様ががが。

鉄道駅併設の道の駅小清水でトイレ休憩をした際、お気に入りのアイウェアを落っことしてしまったことに気付いて軽く凹むなど。

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相変わらず雨も風も弱まらんし⇒浜小清水を過ぎて国道を外れた辺り
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まあひたすら海は荒ぶっていたし景色は霞んで見えたし。

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釧網本線の駅は必ず複合施設(店舗)っぽくなってた。

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国道の一つ北側を。いかにもブルべ的な道。

その後国道に復帰し斜里駅前を通過。
「道の駅しゃり」で昼食を!と思ったら再び「ランチ営業14時まで」ブロックを食らってしまい途方に暮れたものの、駅前に一軒あったラーメン屋さん「来々軒」で補給をすることに。
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軽い気持ちで野菜とんこつラーメンと明太子ごはんを頼んだらどちらも結構な量で面食らってしまった。味は奇をてらうことなく普通に美味しかった。

そしていよいよAH2400の中で恐らく最も主催者が通したかったところに突入する。
※ライダーミーティングでヨシダさんがそんなニュアンスのことを言った。
それが「天に続く道」である!

が、現実は
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リュウ:知床峠の前にこんなふざけた坂を登らせるコース設計者の意図がわからねえ!(#^ω^)

物凄く、心の底から同意した。
天候さえあんなじゃなかったら、ここに至るまでに雨と風で心も体力も削られていなかったなら、あるいは違った感想を抱いたやも知れぬ。しかしすっかり心も体力もすり減ってしまったわたしは相変わらず(ヨシダ〇す!ヨシダ〇す!!ヨシダ〇す!!!)と、物騒な言葉を心の中で転がしていたのであった。
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いやあ、天候に恵まれたなら格別な眺めでしょうなあ(棒読み

登った分は下れるのでいっときだけ良い思い…とは行かず、路面は荒いわウェット路面だわブレーキの効きは悪いわでおっかなびっくりのダウンヒル。
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再び暴風雨の中ひた走る。

途中、リュウさんがリム打ちを食らってしまったらしくパンクしてしまったので民家の軒先をお借りしてパンク修理。
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修理中
因みに数年振りのパンクだったらしい。

リュウさんの作業中家主さんとあれこれ雑談。
家主:あんたらどこまで行くの?
わたし:何とか知床峠を越えて中標津まで行きたいんですよ、予約した宿がそこなんで。
家主:中標津!?今からじゃ車で行ったって夜だよ?自転車だったら朝になっちゃうんじゃないの?
物凄く的確な状況判断だったと思います。。。

とっぷり日が暮れた知床半島北岸をおっさん二人でえっちらおっちら。
雨脚は若干弱まったものの向かい風が酷くてどうにもこうにも。
わたしもリュウさんも結構な勢いでガチ踏みしているのに巡航速度が10KPH前後にしかならない。二人して呪詛の言葉を吐きつつ進んでいた時にSMS着信を知らせる鳴動。リュウさんも島牧のクマ騒動の時にはタイムラグがあったものの今回はわたしと同時に受信したらしい。
”トリさん!主催からSMS来たみたいだからちょっと停まりましょう!”と声を掛けて来た。
丁度オシンコシンの滝の駐車場があったので公衆トイレに逃げ込んでメッセージを確認。
「知床峠にて道路近傍に熊が出没したのを認めたため、公的に通行止めにはなっていないものの主催者として夜間の知床峠通行自粛を参加者全員に求める。」とのこと。
さてどうしたものか。
ざっくり携帯で調べてみた限りでは知床峠手前のウトロはもちろん更に手前の斜里にも空室のあるホテルは無く、辛うじて空室が見つかったのは網走のみ。ウトロのPCまで行って自転車を敷地内に置かせてもらい自分たちはバスで網走まで往復しようかという案も検討してみたが結論が出ないので主催のヨシダさんに直接電話してみたら”ウトロのPC至近のホテルを押さえられたので、雑魚寝になって申し訳ないがひと晩そこで過ごして欲しい。何はともあれ取り敢えずはウトロのPCまで来て欲しい。”とのことだったので再び向かい風に呪詛の言葉を吐きながらウトロのPCまで辿り着いた。

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PC7 7-11斜里ウトロ(1889.2km)
2018/08/16/22:00頃
途中でラーメン食べたし道の駅でのんびりトイレ休憩取ったたとはいえ網走のPCから80km強しかないのに9時間半もかかっている辺りにしんどさを察して欲しい。
いや、改めて数字で見るとホントにしんどかったんだなあ、と。

ここで救済時間は未定ではあるものの、取り敢えず以後のPCは全て時間制限のない通過チェックとするヨシダさんから伝達された。
”でもさ、アフターパーティ出るでしょ?間に合うように帰って来てね。”Byヨシダ閣下
”みんな「今夜は酒盛りだ♪」って色々買って宿に行ったよ。”というヤマグチさんのお言葉に甘え、期間中は禁酒を貫くつもりだったわたしもあれこれ買い込んで宿にチェックイン。

雑魚寝と聞いていたのにいざホテルに入ってみると二人部屋
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なんだこれ?な布団の敷き方されてたし。

大浴場には水風呂もあったのでひたすら下半身のアイシングをしたりして部屋に戻り、久し振りに味わう風呂上りビールの幸せを享受。
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病みつきになる。
普通に東京のローソン辺りで売ってくれないものか。

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調子付いてロング缶四本買ったら二本飲み切ったところで落ちてた。

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気が付いて布団に移動してふと見たら
同じように飲みながら寝落ちしたリュウさんの姿が。

周囲の状況を気にしていたのもほんのちょっとの間。
一週間ほど布団に潜りこんで寝ることが無かったところでホテルの完璧に整えられた布団にくるまってしまったので物凄い勢いで意識が遠のいたのであった。

AH2400走行記録-09へ続く)
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この記事に対するコメント

雄武のローソンでカップヌードルすすりながら、さいたながわトレインが鹿と遭遇して写真撮ってるツイート見ました。

紋別に素敵な帝国ホテルがあったよね~。私も横眼で見ながら、網走の宿を目指しました。(雄武のローソンで巡回中のよしださんに紋別の宿に泊まった方がいいよと言われたのに。。) 紋別からウトロまでのあの区間、今回のコースの中で一番しんどかったです。夜は走るまいと思っていたのに、結局走ってるし向かい風で全然巡行速度上がらないし…。
『天に続く道』は知床峠を明るいうちに越えたくて急いでるのに、なんでここ通すかなぁ と、もう怒る気力もなく。。

布団で寝ると回復具合が全然違うでしょ?
快適な環境では起きられないのではないかと思ってずっと敬遠してきましたが、
長らく行き倒れ組、その後は密かにネットカフェ利用を経て、今後は600以上はホテル泊組に転向する所存です。

URL | けーこ #81/lD5GQ

2018/09/22 02:42 * 編集 *

> けーこ隊長

浜頓別にいた時に雄武なんだから70kmくらいのビハインドですか、四時間くらい後ろだったな。
道の駅おうむの奇跡のポイントが見つからなかったら多分その辺のバス停で寝ていたと思われ。

紋別のあのバス停はホントに”うわあー!”って感じで。
まあ、リュウさんやひとみさんが天塩で夜を明かしたバス待合所もあんな感じだったらしいですが。
高速バス発着場所はしっかりした施設になっていて過ごしやすいですよね。
バスが来たらそのままエスケープしたくなっちゃうかもそ知れんけど(笑)

布団で寝ると気持ち良いのですが
やっぱりもっと長い時間を過ごしてしまいたくなるしなあ。
今回の九日間で唯一オフトゥンに抱かれた夜でした。
結局他はベンチかサウナだったからなあ。
後半は宿をとるべきだったとは思いますが、ことごとく予定から外れてしまったし
この辺は難しいですね。

鶴岡1000ではどうしたものか。

URL | 管理(?)人。 #-

2018/09/22 17:16 * 編集 *

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