【出国以来の】19e PARIS-BREST-PARIS Randonneur-08【べいさん遭遇】
2019.10.19 Sat 12:00 -edit-
ひたすら緩いアップダウンのPBPにおけるコース最高地点
電波塔のある丘の上から電波塔を背にした眺め。
畑と牧場と教会と森がひたすら繰り返されたコースにおいて
最も気に入った景色と言って良い。
<実走行ログ:6/8>
ブレストのコントロールをリスタートしていよいよ復路スタート。
”サンダルを落とした。”とツィートしたところHideさんから”コース沿いにあるブレストのスーパーでサンダルが1ユーロだった。”とリプライをいただいたのでその程度の金額なら使い捨てにしても惜しくはないと考え、コース沿いにあったスーパーマーケットに入ったものの置いてあったのは金額一桁違いの品ばかり。
よくよく考えてみたら往路と復路でブレスト市街地の抜け方が違うのだから、往路で「計画的DNF」をしたHideさんが示しているスーパーは往路沿いで、復路を走っているわたしが見つけられないのは当然なので諦めてリスタート。市街地走行なので参加者のペースがあまり上がらない状態で運よくはるさん、PEKOさん、生郎さん…の「ジンガイ三人組トレイン」に追い付いたのでしばらく後ろに付かせていただく。
ジンガイトレイン
しばらくは四人で走行していたものの、どうにも眠くなってきてしまった。
日が高く日差しも温かいので三人に声をかけて一人で離脱し、シジュンという街の入り口付近にあったモニュメントに自転車を立てかけ、耳栓とアイマスクを装着して芝生の上に寝転んだ。
小一時間ほどまどろんだところで目を覚まし、リスタートしようと起き上がって辺りを見回したら7~8人の外国人参加者(そもそもオレがフランスでは外国人だ)がうつぶせになって軽くバンザイをしているような体勢で寝転がっていたのでそのなんとも可愛らしいポーズを見て笑いが漏れそうになった。(なるほど、オレは背ポケの中のものを出して仰向けで寝ていたけれど、こういう寝方で身体が休まるならその方が手っ取り早いのか。)とは思ったものの、個人的には仰向けか横向きでないと寝付きが悪いのでひと手間かけても背ポケの中のものは出さないと。
シジュン入り口のモニュメント
後日行政区画を確認してみたら市域はもっとずっと広いのでここは旧市街入り口になるようである。
緩やかな坂道を登っていくと例によって例のごとく丘のてっぺんには教会の尖塔が見えて来たけれど、その手前の右手のシャルル・ド・ゴール広場という場所に仮設の大型テントが張ってあって半ば公的な私設エイド(ちょっと表現が微妙だけれど、ACP公式ではないが自治体が運営していると思しきエイドの意)となっているようであった。寝起きだったので立ち寄り、地元の人がにこやかに供してくれるお菓子をつまんだりコーラを飲んだり。
テント下の休憩エリアのテーブルにはばんばんさんが突っ伏して寝ていた。しばらくしたら起きたので軽く挨拶してその場を離れ、近くの教会まで歩いて行って少々観光。公衆トイレが広くて清潔だったので利用させていただきテントに戻ってリスタートしようと思ったところでちょうどその場に到着したこーへーくんがいたので軽く言葉を交わしてこちらが先行でリスタート。
シジュンから先は約15kmにもなる淡々と続く長い登り坂。往路で気持ちよく下ったものの復路での登り返しを考えて辟易とさせられてしまった区間なのであった。
しばらく淡々と坂道を登っていると前方からミニサイズの日の丸の旗を付けた、明らかにそれとわかる強烈な「日本人アピール」をしながら下って来る一人の参加者。
羽田からパリまで一緒だったべいさんその人なのであった。彼のスタート時刻は90時間制限最終組の21時だったので、同じく90時間制限の最初の組だったわたしたちとはスタート地点でも遭遇することが無く、そのままゴールまで遭遇することなく終了してしまうかとも思っていたものの、1,200kmの行程中運良くスライドすることが出来るとは。
カレ=プルゲール到着前に”スポークが折れた。”という彼のツィートを目にしていたので心配していたけれど、DNFすることなく継続していたらしい。
ブレストから概ね50kmほどの地点だったので”650km付近でべいさんとスライドしたが元気そうだった。”とツィートをしたものの、冷静に日本でTLを眺めていた面々からは時間的にブレストに間に合わせるには少々厳しいのではないか?という声が上がっていたようである。
確かにわたし自身それほど時間に余裕が無い状態で走っていたのでべいさんとわたしがブレストから50kmの地点でスライド=べいさんがわたしから100kmのビハインドということを鑑みるとスタート自体は3.5時間しか開きが無かったのにその時刻でその距離では差が大きすぎる。その時はそんなことには考えも及ばずべいさんの無事を素直に喜んだのだけれど、結局ブレストで折り返しはしたものの彼は今回もDNFとなってしまったのであった。
再びえっちらおっちら坂道を登り、ようやくコース最高地点の電波塔の丘へ。
電波塔を背にした景色
遠くに湖らしき水面が見えるもののGoogleMapsでの表示は「エレ川」とだけなっているので人造湖だろうと思ってちょっと調べてみたらこの辺りはユン・エレと呼ばれる古くは泥炭の切り出しが盛んだった湿地帯のくぼ地で、現在ではエレ川の治水のために作られたサン=ミシェル貯水池がその地域の大部分を占めているのだそうである。やはり人造湖だったけれど残念ながらGoogleMapsでは名前を表示してくれない。
画像を拡大すると中央左寄りに1985年に稼働をやめたブレンニリス原子力発電所の建屋が見える。
相変わらずこんなこと(=この眺め「は」好き)をほたえつつ。コース最高地点から。
— Trinity is おフランスで落車しちゃったうまなみさん (@tri1021) August 20, 2019
この眺めは往路、復路とも好き。
#parisbrestparis2019 #pbp2019 pic.twitter.com/DiqSFPJPy2
アップダウンがありつつも概ね下り基調の長い森林地帯の道を進む。サンダルを落とした道は走らずにひたすら幹線道路を進むのが寂しい。
そんなことを思いつつ進んでいるとなんとなく見覚えのあるカレ=プルゲールの市街地へ。通過時間帯が違うのでなんとなく見覚えがあるような無いような感じ。街の中心部を抜けてコントロールへ。
Control
CARHAIX-PLOUGUER(693.5km)
到着はクローズ30分前。
ブレストでのリスタートはほぼオンタイムだったし途中仮眠したりしたのでここでは間に合わないかと思ったものの90kmを約6時間でどうにか。以後は少々余裕ができる(と、この時は思っていた。)
少々軽めに
ブレストで大量に食べたのであまり空腹を感じなかったのでこのくらい。
これで軽いのか?というツッコミが日本から寄せられる。
軽めですが何か!?#半ギレ
— Trinity is おフランスで落車しちゃったうまなみさん (@tri1021) August 20, 2019
のんびり走るとはいえ時間の余裕には際限があるので眠くならない内にリスタート。シジュンでの仮眠のお陰で頭はスッキリしていたけれど、全般的に睡眠不足気味なのでどこでいきなり眠くなるかわからんし。
リスタートしてしばらく経ってから単三乾電池の携行本数に若干の読み違いがあり、最悪足りなくなってしまう可能性がありそうだということに気が付いたので調達しなければならなくなった。カレ=プルゲールはかなり大きな街だったのに、その時には気付かなかった己の不明を少々呪いつつ、徐々に日が傾いて来たコースを淡々と進む。なかなか営業している雑貨店の類が見つからなくてヤキモキし始めていた時グアレックという小さな町のお店が目に付いたので停まって店内の様子を伺ってみたら、そろそろ店じまいをしそうな雰囲気のイートインスペースのある雑貨店のような風情だったので乾電池があるか聞いてみたところ無事アルカリ単三電池四本を調達できたのでホッとした。
乾電池を購入したお店
ところでわたしが停車したらピタ付けで停車した日本人参加者がいて、なんで追い掛けて来たのかわからなかったけれど”ここ、もうすぐ閉店時刻ですよ?”と伝えたら面食らったような表情でリスタートして行った。こちらが飲食すると思ったのだろうか。普段の国内ブルべでお見かけした記憶の無い方なので特にそれ以上の会話もないまま。
やや日が落ちて来たところで往路でシークレットだった通過チェックポイントサン=二コラ=デュ=ペルムに到着。公式の英語版キューシートには「food(無視しても良いポイント)」と記載されているけれど、ブルべカードにはしっかりスタンプ欄がある。まあ入り口付近でスタッフの誘導があるからスルーしてしまうこともなかなか無いとは思うけれど。
food
SAINT-NICOLAS-du-PELEM(735.0km)
ここでも九州のばんばんさんと行き会う。
食事を済ませてリスタートしようとしていたらPEKOさんやはるさん、イーチョねーさんの姿も。PEKOさんとの会話中”じぇんさんとは別行動になっていて彼女の動向がわからないんですよねえ、でもブレストの駅に向かった形跡があるからDNFしちゃったのかも。”というような話もあった。
仮眠所で休んで行くという彼女たちとは別行動を取ってリスタート。
駐輪場から移動しようと思ったら他国の参加者から”ジャケット着ていないけど寒く無いの?”と聞かれて”全然?”と答えたらなんとも言えない表情を返して来た。
欧米人って寒さに強いイメージなんだけどな、真冬の東京で短パンTシャツ姿で歩き回ったりしているし。
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