【お昼と夜中に】SR600KW 走行記録-03【1000メートル】
2019.11.30 Sat 10:28 -edit-
標高1,000の玉置山の紅葉
さすがにこのくらい標高が上がると
木々も色付いていて見ごたえがある
SR600KW 走行記録-02 より続く
那智勝浦町から旧熊野川町(現新宮市)に抜ける県道45号線のうち、境界手前の5kmほどの区間に関してはこのコースに挑んだ何人もの先人が”あの区間はヒドイ。”とか”あの区間は危ない。”と、口々に感想を述べるほど道が細く荒い区間なのであった。
色々見聞きしていたので普段はコースの下調べが甘いわたしでもそれなりの覚悟をもって臨める。
とはいえやはり百聞は一見に如かず
走行しながら撮影という舐めプ
お陰でみんなブレブレです。
というか特に二、三枚目なんか前夜の丸山千枚田における「顔面痛打の悪夢」を彷彿とさせる亀裂でトラウマものである。
水補給
取水口がいくつかあって黒いホースが伸びている地元住民の水源。
水を飲んでボトルに補給してリスタート。
相変わらず荒い
明るい内に走る分には気持ちよい
路面が最も荒れている区間はどうにか抜け出したようでぽつりぽつりと民家らしきものが見えて来たけれど、そのほとんどは廃屋なのであった。
朽ち始めた廃屋が並ぶ
しばらく進んだところにあまり生活感の無い半ば廃屋のような民家があったのだけれど、大きなケージがあってそこそこ大型の犬が2、3頭。
(へえ~~~こんなところで暮らしている人もまだいるのか、林業関係者かな?)
的なことをのんびり考えながら近くを通過しながらよく見たら、その数頭のうち少なくとも一頭はケージの外にいるではないか。
しかもこっちに向かって来るようなそぶりを見せたので心で身構えつつ睨みつけながら通過したら数メートル離れたところをわたしの後方に向かって小走りに消えて行った。
あぶねーよ、あんなのに夜中遭遇して万が一襲われたら命落とすわ普通に。放し飼いにされているのか野良なのか、一体どっちだ?
咄嗟のことで首輪の有無を確認できなかった。
路面はそこそこだけれど堆積物が多い
なおもしばらく進んだ先の路肩に停車中の自動車が一台。ちゃんと見なかったけれどおそらくスズキのエスクード。
運転手の姿は見えなかったもののそばにはきちんと世話をされていることが伺える、毛並みの良いジャーマンシェパード…って、こいつも首輪しているけれどノーリードじゃねえか!!!
本気でビビりながら通過したけれど、今度の子はどうも飼い主以外が苦手のようで車の陰に隠れるように移動して行った。
(山の中で人なんか来ないと思ってリード外すんじゃねーよ、クソ飼い主!!)
心でヘイトをまき散らしつつさっさとその場を去る。
とはいえ雰囲気は良い
カモシカ保護地域である
だったらなおのこと犬の放し飼いなんぞさせるんじゃねーよ!(再)
こういう地層の露呈が好み
手入れの行き届いた美林
ようやく路面が落ち着き、沢沿いの山道をのんびり進む。下流に向かっているので下り基調の平坦路なのが嬉しい。個人的には大好物なロケーション。
熊野川支流の赤木川
勾配が緩やかなので滑らかな水面に紅葉が映える。
そそる岩肌
小ぶりな滝というか流れ込み
のんびりとした山道ツーリング感
しばらく進むと川幅が広くなってきて周囲に民家がぽつりぽつり。
更にしばらく進むと目の前が熊野川。今度は熊野川右岸を遡上。
まだ正午前ではあったけれど「瀞峡巡りの里熊野川」で早めの昼食。
熊野牛他人丼
熊野川の碑
お腹を満たしてリスタート。
この先は以前べいさんをして”ログを確認したらトータル10kmくらい押し歩きしてましたよ、まさか山の中を自転車押しながらハイキングするとは思わなかった!”と言わしめた玉置山であるので気合を入れなおして進まねば。
コースはひたすらR169を北上し、旧道通行止めの為瀞峡トンネルを通過後折り返して田戸トンネルを抜けることになっているはずだったものの実際にはそのずっと手前、R311との分岐を過ぎた竹筒トンネル入り口付近でeTrexのルート表示が終了してしまった。
(???)
一旦停止してキューシートに改めて目を通す。
一旦停止してキューシートに改めて目を通す。
間違いなく右左折する箇所は無く、そのまま瀞峡トンネルに向かうのが正規ルートである。ざっくり計算すると、おそらくPCの25kmほど手前でルートが切れてしまっていることになるものの、わたしの運用はPCごとにルートを分割してデータをeTrexに流し込んでいるのでPC間距離から考えてもポイント数がeTrexの表示限度を超えてしまっているようには思えないのでデータ転送時のエラー、もしくは何らかの理由で作成途中のルートデータを転送してしまったのだろうと判断し以後はキューシートで進む。
ほどなく瀞峡トンネルが現れ、キューシート備考欄に書かれた通り、左方向に鋭角に戻るようなルートの旧道が見えて来た。
旧道田戸トンネル
延長900m弱あるそれなりに長いトンネルながら幅が狭く、内部で車がすれ違うのは至難の業だと思われる。瀞峡トンネルが供用開始されて以降なのかわからないけれど内部は照明が一切点灯していない真っ暗闇なのであった。
田戸トンネルを抜け、玉置山(神社)に向かう山道を淡々と進む。
大きな岩がご神体の小さなお社
玉置龍神水にて補給
奈良県に突入
幾つか沢を渡る
玉置(たまい)川集落
昔はここに置かれた公衆電話がかなり重要な役割を担っていたのではなかろうかと。
そして同じ字を当てるのに山は「たまきやま(さん)」、川は「たまきがわ」で集落名は「たまいがわ」である。
因みに地理院地図で確認するとこの付近の標高は330mほどで、この先の玉置神社分岐付近で1,000mとなるので平均斜度は単純計算で7%強。
ひなびた山道を淡々と登る
標高が高くなるとさすがに紅葉が目立つ
えっちらおっちら登り、勾配が緩やかになってようやくおしまいかと思ったところで更に急勾配の登り坂への分岐。心で呪詛の言葉を吐きつつ更に登る。
玉置神社への分岐がピークとなり、一旦道を下り始める。
(気分は良いけれど折り返して戻らなけりゃならんのだからあまり下りたくはないなあ…。)そんなことを考えていたところ前方右手にフォトコントロールのモチーフが見えて来た。
PC10(334.0km)
玉置山・世界遺産大峰奥駈(おくがけ)道石碑
2019/11/17/14:15着
石碑裏手の展望デッキからの眺め
日が傾き始めたので先を急ぐ。
何せeTrexの距離表示を信用して走行ペースを組み立てていて、結局25kmくらいビハインドになっている状態なので約二時間ほどのずれがある。コース表示が消えるまでは(えらく快調なペースだなあ?)と呑気に思っていたけれどまさかこんなこととは。
次のPCまでのルートを呼び出して表示してみたらスタート地点はしっかりPC10になっていたのでやはりコースデータ読み込み時のエラーかデータそのものが間違っていたのだろうと理解して次のPCへと進む。
が、この時の記憶が後々面倒を引き起こすことになる。
短い登り返しの後道幅が狭いので少々危なっかしいダウンヒル。
折り返し区間を終えて新規区間に入ってしばらく進んだ先で乗用車が数台路上に停止していた。
(事故かな?)と思いつつ速度を落として慎重に近づいてみたら道の真ん中に一匹のキツネ。カメラをスタンバイして近寄ろうとしたら道端に寄ってしまった。
あまり車を怖がっていない
下手に近づいて噛まれたらエキノコックスが怖いのでこのくらい距離があった方が良いわな。
路面状況が良くて気持ちよくペースを上げられるものの道幅が狭く、自動車がすれ違うには毎度減速しなければならないような状況なので前に自動車がいたりすると思うようにペースが上がらずフラストレーションが溜まる区間ではある。
十津川右岸(二津野ダム湖)
十津川まで下るとコースは道幅が片側一車線分しっかりある道になる。
和歌山県に再突入
十津川沿いに下っていたのにいつの間にか熊野川になっていて少々面食らったのだけれど、熊野川本流の十津川村域を「十津川」と呼ぶということを後から知った。学びが多いブルべである。
下り基調のバイパスを非常に快調なペースで進んであっという間にPC着。
PC11(362.0km)熊野本宮大社
2019/11/17/15:35着
ここで宿泊予定の宿に連絡し、到着が遅くなりそうだと一報。
19時半にはレストランがラストオーダーとなり、22時でフロント業務終了と同時にカップ麺やパン・菓子類を販売する売店が閉店し、22時半には風呂のボイラーの火を落とすと言われたので22時までに着くことを心に誓った。
宿への連絡の後リスタートしようとしたところで3、4人のサイクリストと行き会い、軽く挨拶を交わしたら中の一人が”頑張ってください!”と声をかけてくれた。
やはりこの周辺のサイクリストはブルべに対する認知度が高い。
小腹が減ったのですぐそばにあった「マーブル」というパン屋さんでパンを買って自販機で購入した缶コーヒーとともにおやつタイム。
ソーセージロール/ハンバーガー/チョコバナナクリーム
どれも美味しかった。
熊野川支流四村川の川床
このあたりも色鮮やか
二日目の日が落ちる
17時頃になると山間部はすっかり暗くなる。
相変わらずトンネルがいくつも連なる山道を通って近露集落へ。
PC12(384.7km)近露(ちかつゆ)王子跡
2019/11/17/17:38着
この時点で宿までの残り距離は80km以上あって、22時までに到着しようと思うとグロス20KPHで押さないといけない。この先まだひと山越えなければならないし、そもそもSR600なのでさすがにそのペースは無理だろうと絶望感を覚えながらもリスタート。
小さな山越えをして旧龍神村へ。
日高川沿いの登り基調の道をえっちらおっちら。
龍神温泉手前数キロのところで時刻は20時、宿までの残距離は約50km。この時点で何がどうでも22時には間に合わないと判断して宿に再度連絡。
フロント終了時刻に間に合わないので当日キャンセル扱いになることを覚悟していたものの、遅くなってもチェックイン対応してくださるとのこと。ありがてぇ。最悪は携行していたエスケープヴィヴィに包まってその辺のベンチで寝ることも想定していたので晴れやかな気持ちでリスタート。
龍神温泉の灯りを横目に見ながら護摩壇山への長い登りに挑む。
月が昇って来た
序盤こそ5、6%だった勾配がいつの間にかずっと10%前後。
気温はかなり下がって来たもののヒルクライムですっかり汗ばみ、時折吹く風が心地よい。
それにしてもべいさんが”押し歩いた。”と言っていた玉置山はそれなりに覚悟して臨んだので何とか登りきれたけれど、それ以外の区間についてはまともに下調べもせず舐めプで臨んでみたら微妙に玉置山よりこっちの方がキツイ感じがする。
道路脇の標高表示の数字が徐々に大きくなって900、1,000となった時eTrexのコース表示を見てもまだまだ先があるという事実に軽く絶望感を味わう。
「感じ」ではなく間違いなく護摩壇山の方がキツイではないか。
後日改めてべいさんに話を伺ったところ”護摩壇山?ああ、あそこもひたすら押したよ。意外と交通量多くて恥ずかしかったけれどね、HA!HA!HA!!”ですと。
心の中で坂道に対するヘイトを吐き散らし、温かいお風呂に入れるかどうかに思いを馳せて半べそ状態になりながら登った先にようやくピーク。
玉置山より300m近く標高が高い
PC13(450.4km)ごまさんスカイタワー
2019/11/17/22:45着
ここまで来たら宿まで残り20km弱でほぼ全編下り。
どうにか日が改まる前には到着できそうなのでホッとしたけれど、お風呂はぬるま湯で汗と汚れを流す程度でも仕方あるまいと半ば諦めムードのダウンヒル。
龍神スカイラインから脇道に逸れて野迫川沿いに向かって下る。
野迫川べりに降りたら体感で一気に3~5℃くらい下がった印象で、おそらく0℃近かったのではないかと思ったけれど宿に到着することを優先して防寒装備の装着なしで指切りグローブのまま走ったら、宿到着時に指先がかじかんでヘルメットのバックルを外せなかったりフロントバッグを外せなかったり宿帳にサインできなかったりなかなか間抜けな思いを味わった。
そんなこんなでどうにか23時半過ぎ頃に二日目の仮眠宿「ホテルのせがわ」に到着。
オフトゥン!!
伝え聞いていた通り売店は営業を終了していたものの、お風呂に関しては23時までボイラーが稼働していたので浴槽の湯はほとんど冷めておらず、洗い場のシャワーも普通に温水が使えるので好きに利用して良いということだったので大きな浴槽を独り占めでじっくり湯に浸かって脚を中心に全身をほぐし、さっぱりして部屋に戻って寝床の準備。
仮眠の際は座布団を丸めた足枕も入れる
部屋からの眺め
野迫川の瀬音が耳に優しい。
翌朝は前日同様5時起床、少々のんびりして6時頃リスタートする予定で布団にくるまって、すぐ寝りゃいいのにツィートをポチポチ。
とはいえ気が付いたら寝落ちしていて翌朝を迎えたのであった。
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