【2011BRM402青葉300km本栖みち】 サルベージ日記
2011.04.02 Sat 21:10 -edit-
【タイトル】 BRM402青葉300㎞(本栖みち)
【走行距離】
302.8km(ルートラボ計測)+9.8km(ゴール⇒ゴール受付)
+45.8㎞(自宅⇒スタート+ゴール受付⇒自宅)
【走行経路】 往路:http://yj.pn/H-vXXf 復路:http://yj.pn/IME0t6
<あざみ野>⇒K57他⇒道志みち(R413)⇒<山中湖>⇒旧鎌倉往還(R138)・富士パノラマライン(R139)⇒<本栖湖>⇒本栖みち(R300)⇒K10⇒
<内船(折り返し点)>
⇒K10⇒R300⇒<本栖湖>⇒R139・R138⇒ <山中湖>⇒R413⇒K57他⇒<あざみ野>
【獲得標高】 往路:2,010m/復路:1,947m
【総所要時間】 18時間5分(公式記録は18:01)+50分+2時間20分
【平均時速】(走行距離/総所要時間) 16.7㎞/h(スタート⇒ゴール)
【車種、車名】 炭ロード/PinarelloFP3(2010)
【日時】 2011年4月2日(日)
【天候】 快晴
【感想】
わたしの人生におけるブルベ第二弾。
本来なら3月26日に千葉で400㎞のそれに参加していたはずなのだけれど、震災の影響で開催が4月29日にずれ込んだので今回が二回目。
1月に200㎞を走って今回が300㎞、次回が400㎞なので順番にステップアップする形となり、千葉の延期はむしろ丁度良かったのかも知れない。
前日、4月1日は新年度の会社方針説明会⇒懇親会という流れで当然ながらアルコール摂取。
”深酒は避ける!”と心に誓ってほろ酔い程度で帰宅したものの、案の定飲み足りなくなり自宅で呑み始め。
ふと目を覚ませば時刻は3時45分になろうというところ。
今回、周辺には丁度良い駐車場が無かったことと、自宅からの距離が25㎞弱程だったので自走でスタート地点まで向かう心づもりでいた。
受付開始は5時、ブリーフィング(競技内容説明)が5時半、スタートが6時。
信号のある一般道で片道25㎞ならば1時間強の所要時間を見込まなければちょっときつい。加えて万が一迷子になったりしてしまったときのことを考え、3時半過ぎには出発したかったのに既に目覚めた時点で過ぎてるし。
それでも準備自体はなんと(!)昨夜のうちに済ませてあったので、慌ただしく着替えを済ませて自宅を出発したのが4時10分頃のことで、若干(ってかかなり)焦り気味でペダルを回す。
これから300㎞走ろうというのに要らん事で脚を消耗してどうするよ、おれ。
ともあれ迷子になることもなく5時10分頃には無事スタート地点に到着。
今回、けーこ女史も同じBRMにエントリーしているとのことだったので赤いフレームのチャリを探してそれらしいものを発見、そばに立っていたけーこ女史を確認し、受付を済ませてから近づいて挨拶。
実に数年ぶりの再会になる。
しばし雑談を交わし、ブリーフィングに参加。
スタート時の混雑緩和のために1~3のグループに分けて10分刻みのウェーブスタートとなる。
わたしとけーこ女史は共にグループ1、車検(装備品チェック)を済ませて6時55分頃スタート。
お互い相手の走力を把握出来ていなかったので、ペースが合わなければ単独行動とすることにしてまずはわたしが先行して走行。
スタートから1PC(第一チェックポイント)まではあまり集団がバラケなかったので、それについて行けば特に気を遣わずともコースミスの心配が少ない。
細かく右左折を繰り返して街中を抜け、獲得標高(どのくらい坂を登ったかの指標)が往復で4,000m弱となる今回のコースのとっかかりである道志みちに入る。ここまで来たら後は概ね迷いようがない。
常日頃から登り坂を不得手としているわたしがもたもたよたよた坂道を進んでいる脇を”お先にぃ♪”と軽快に登ってゆくけーこ女史。
日頃から”登り坂が好き♪”と公言していらっしゃる事を裏付けるように『水を得た魚』ならぬ『坂を得たけーこ』的にさくさく先行していってあれよあれよという間に視界から去っていった。
やっぱり登りは体重あるときついよなあ…自身の斤量が恨めしい。
道志みちに入ってしばらく走ると『R413最高地点』の標識が。

”こんなに早くピークがある道だったかな?”といぶかったものの、ここは『神奈川県内最高地点』なのだと思い至った。道志みちって大半の区間が山梨県だし。
がっでむ!ぬか喜びさせやがってぇ!!←八つ当たり風味。
延々続く登り坂をひたすら進んでいたら、後方から結構な速度で追い越していったチャリの集団。
バイクの種類からみてトラの練習会のようだったけれど、後方から自動車が近づいて来ているのに平然と並走していたりしてマナーが悪い。なんぼ速く走れたってあれではなあ。
道志村に入り、両国屋食堂目の前のヘアピンカーブでギアチェンジの際にチェーンが外れた。
もたもたと復旧作業をしていたら、店先で日向ぼっこ(?)していた爺さんに声を掛けられる。
”どこまで行くんかねぇ?”
”山中湖から本栖湖を抜けて身延の先まで行って戻って来ます。”
”頑張ってなあ。”
”ありがとうございます。”
こう言うのはホント、気分が良い。
再び登り始めると、目の前には何故かけーこ女史が。
聞けば足が痙攣してしまってしばらく止まっていたとのことで、ひとまず落ち着いたので再出発したのだという。

走行中、背後から撮影。ある意味(否、そのまんま)盗撮www
1PC

ところどころにまだ雪の残る道志みち後半部のひたすらキツイ登りを超えて、山中湖に向けて緩やかに下る。
目の前にまだまだ真っ白に雪を戴いた富嶽を眺めつつ。天候は申し分なく、非常に気分がよい。


山中湖畔にて。
富士パノラマライン(R139)沿いの2PCで休憩中、けーこ女史が15分遅れほどで到着。
登り坂は遅くとも、体重の利がある下りは速いわたしwww
”気にしないで先に行っちゃって下さい。”とのお言葉に甘え、先行して出発。

途中、『道の駅鳴沢』に立ち寄り『富士桜ソフトクリーム』をいただく。
河口湖から本栖湖まではだらだらした登りが続くのでしんどい。
いや、だらだらしていなくても登りはしんどいわ、マジで。
本栖交差点を右折して本栖みち(R300)に入り、本栖湖畔北側を抜ける。

本栖湖畔からの富嶽。
道端で撮影していたら後ろからけーこ女史合流。
軽く雑談の後、再びわたしが先行して走りだす。
中の倉トンネルを越えると平均斜度5~6%の急な下り坂。
大好きな下り坂を快調に飛ばしたのは良かったが、どうにか事無きを得たものの途中オーバースピードで曲がりきれなくなりそうになって一回、うっかり後輪ブレーキを強く握りすぎてロックさせてしまって後輪がスライドし、コントロールを失いかけて肝を冷やした。
途中、トイレを利用しに『道の駅しもべ』に立ち寄ったところ『味噌アイス』の看板が目についたので買ってみた。

ソフトクリームではなくカップアイス。
最初のうちは普通にアイスなのだけれど、鼻腔に抜ける香りと後味はまさに味噌。
甘すぎない味わいと風味が意外なほど良く合う逸品。
坂を下りきると突き当たりには冨士川。
左岸を身延方面に向かって南下し、内船のヤマザキデイリーストアで折り返しするのが今回のコース。
つぼみがほころび始めた桜並木の脇を時折うぐいすの鳴き声を聞きつつ走る。
気温は20℃を超えていて、衣類は春先用の装備なので暖かいというよりむしろ暑い。

冨士川左岸。
桜がほころび始め、日当たり等の加減によっては五分咲きくらいの樹もある。
川沿いの道のクセに想像以上にアップダウンの多いコースに辟易としつつ3PC(今回の折り返し点)に到着。
わたしが道の駅でアイスに舌鼓を打っていた間に追い越して行ったけーこ女史が”あれ?先に行ったはずじゃ無かった?”
味噌アイスの事を教えて”時間に余裕があったら是非試してみるべきですっ!!”と力説(wしてみたたものの”体力が心配だから今回は寄り道しないでまっすぐゴールを目指します。”とのことで先に出発なさいました。
けーこ女史を見送ってからしばらく水分やエネルギーの補給をし、ストレッチなんぞしてからおもむろに復路スタート。
下りで速度が出すぎてコントロールを失いかけるような急坂を今度はひたすら登らなければならないのである、嗚呼。
進んでも進んでも目の前に現れる坂、坂、坂。
見通しのよい場所で自分の通って来た道を見下ろすと”こんなに登ったのか…。”と感慨深く感じる反面、見上げるといくつも折り重なるようにして上方に続く斜めのガードレールが視界に飛び込みがっつり凹む。
進行方向なんか見あげなきゃ良かった。
そんな急勾配もあと数キロで終わるという地点で、いきなり右太もも内側に違和感が生じ、あっという間に痙攣を始めて痛いの何の。
膝を伸ばす時はどうにかなるものの、ペダルを回して膝を曲げる段になると痛む。
左手で右太ももを掴むようにしてマッサージすると幾分痙攣と痛みが緩和されるのでバランスを崩さないよう気をつけつつ右手でハンドルを押さえ、左手で右足をマッサージ。
中の倉トンネルが見えたときにはほっとして涙出そうになったし。
トンネルを抜けると、丁度そこで休憩中だったけーこ女史に声を掛けられた。
聞けば彼女も午前中に起こった痙攣が左脚の同じところだったそうである。
ポカリスエットを飲んで解消できたそうなので電解質不足っぽい。
しばしの雑談の後、暗くならない内に青木ヶ原樹海を抜けたいというけーこ女史の意向を踏まえて出発。
まずはけーこ女史が先行”遅かったら遠慮無く抜いていって下さい。”
途中で先行を入れ替わり、わたしが引くことに。
復路途中のPCは山中湖畔の一箇所のみなのでひとまずそこを目指していたけれど、後方から”眠くてどうしようもない、コンビニに寄って『眠眠打破』買う。”とけーこ女史。
わたしの方も持参したスポーツドリンクが切れてしまい、電解質を補給したかったので樹海を抜けて最初のローソンに立ち寄り小休止の後出発。
R139からR138に入り、道幅が狭くなった緩やかな登り坂を走行中のこと。
後方から”うひゃぁ!!”という悲鳴が聞こえ、慌てて振り向いたら縁石越しに歩道側に倒れこんでいたけーこ女史の姿が。
”ついうとうとして、ふらついたら縁石に接触しちゃった。”
眠眠打破ってば、まるで役立たずじゃねーか。
ケガらしいケガもなく、チャリもキズはついていたもののチェーンが外れてしまった以外のダメージはなさそうだったので再スタート。
道志みちに入るところで一人追い越し、そのままわたしが先行でわたし-けーこ女史-もうひとりという順で山中湖畔を4PCに向けて走る。
時々後ろで声がしたのでその都度振り返ってみたけれど、特に転倒とかしている風でもなかったのでそのまま進行。
4PC直前の信号待ちの際、後尾にいた男性が近づいてきて”あなたのお連れさん、眠気でふらついてて危ないよ。ひどく蛇行してセンターライン越えちゃったりしてる。”
なんてこったい。本格的に眠眠打破無意味じゃんか。
4PCにてしばし相談。
どこかで休憩して行くか、強行するか。
先ほど忠告して下さった御仁も結構眠いらしく、軽く日帰り温泉で仮眠を取ってから再スタートすると語っていたが、けーこ女史にはひとまず仮眠の意思無しだったのでそのまま再スタートすることに。
後方で転倒されて気づかなかったりすると困るので今度はけーこ女史を先行させ、わたしが後方から安全確認。
確かに右に左にふらついていて危なっかしくみえたものの、声を掛けると”ん~~~。大丈夫だと思う。”との返事。
しばらく黙って後方を走っていたら、後方から追い越しを掛けてきた乗用車の方にふらふら近づいていって危うく接触事故をl起こしかけ、対向車が来たのにセンターラインを割りそうになってあわや正面衝突しかけたり、危なっかしいを通り越して見ていて恐怖。
どこかで小休止出来れば良いが、なにせ山道。
取り敢えずはわたしが並走してセンターラインを越えないよう注意を促し、後方から自動車が近づいたら声をかけるようにしてだましだまし走行。
それでもわたしに接触しそうなくらいに右に寄って来たので”もっと左に寄らなきゃ!!”と声をかけたらするするっと左に進路を変え、そのまま斜めに進んでいってしまった。
”おい!おい!!おい!!!おいぃぃぃ!!!!”
わたしが叫んだ瞬間、けーこ女史は視界から消えた。
小さな川に架かる橋の欄干と、その脇に立つ石灯籠の間の1mに満たない隙間に突っ込んで落下。
落ちた先がたまたま雪溜りの山になっていて、顔面から突っ込んだらしいけーこ女史に打撲と擦過傷以外の大きなケガはなさそうで、彼女の愛車はというと雪溜りの脇に生えていた樹の枝にホイールが引っかかって雪溜りの上に直立した状態。
橋の下からは”顔から突っ込んじゃったけど骨とかには異状なさそう…。”と、けーこ女史。
後から冷静に振り返るとこの上なくシュールで笑える絵なのだけれど、その瞬間はそれどころじゃなかった。そりゃ当たり前だ。
不幸中の幸い(?)は落ちた時も、上がって来た時も誰も通りかからなかったことか。
けれどもそれは無事だったからこそ思うことで、もし単独事故だったりしたら、もし打撲や擦過傷以外の大怪我を負っていたら、もしチャリに自走不可能なダメージがあったら…と考えると非常に怖い。
基本的にサポート類は一切無し、完全に自己責任で競技を遂行するのがブルベだけれど、往路の本栖みちで若干肝を冷やしたことも併せて『自己責任』の重さを改めて認識。
引き返して日帰り温泉で休憩していくかどうか確認してみたところ
”もう、さすがにこの顔のケガの痛みで目ぇ覚めたわ…。”
とのことだったのでけーこ女史に再び先行してもらい、とにかくゆっくり進むことに。
時間的なマージンはまだまだ充分ある。
しばらくは確かに眠気も引いていたのだろう。
どうにかこうにか進んでいたものの、しばらくすると再び蛇行し始めたので後ろから頻繁に”左に寄って!”、”右に戻して!”、”後ろから車!”、”対向車来るよ!”と声をかけた。
対向車をやり過ごすこと数度の後
”どうしても右に寄りすぎな傾向あるけど対向車来たときはホント気をつけてくださいよ、んでも左に寄りすぎて溝にハマってもしゃれにならないけど…って、おい!おい!!おいぃぃぃ!!!!”
マジかよ、注意した途端に溝に突っ込んだぞ、コレがおれの『言霊』の力か!?←違うと思う。
っていうか、こっちも驚きのあまり危うく転倒しそうになりつつ停車して駆け寄る。
”ケガ無いですか?”←聞き方悪いよな、ケガが無いわけねぇもん。
”ごめんなさいねぇ。どーしよ、こんなんじゃ愛想つかされて二度と一緒に走ってもらえなくなっちゃう。”
いや、あの…気にするトコそこっすか?
幸いにして今回も打撲以外のケガはなさそうで、チャリの方も大きなダメージは無さそうに見える。
”どっかで仮眠取らなきゃだめっすね。”
”そこの草むらで寝てく。”
…え?
いくら何でもそりゃまずかろうよ。
結局、けーこ女史はしばらく走った先の両国屋の自販機脇で座って休んでいく事に。
わたしのチャリのチェーンが外れ、けーこ女史の足が痙攣を起こした、何かと因縁深い食堂である。
取り敢えず再スタート時にはメールを送信するよう依頼して、わたしが単独で先行。
万が一メールが来なかったら何か手立てを考えて回収に向かえばいいし。
残り50㎞程の距離を走って、ゴール地点に到着したのが丁度24時頃。
到着時刻を証明するコンビニのレシートの時刻刻印は0:01だった。
6:00スタートの1組だったので認定時間は18時間01分。
色々あった割にはまぁ悪くない数字だと思う。
ゴール地点から10㎞ほど離れたジョナサンが今回のゴール受付会場で、到着したのが1時近く。
携帯を確認したら、0:43付けでけーこ女史からゴールに到着した旨メールの着信あり。
ブルベカードを提出し、遅い夕食(っていうか夜食だな)を結構ガッツりしたため、けーこ女史の到着を待つ。
のんびりコーヒーをすすっていたらけーこ女史到着。
アレだけ激しいクラッシュを二回も続けた割にはきちんと制限時間内にゴールしてしまう辺りが素晴らしい。賞賛に値しますよ、掛け値なしにwww
けーこ女史も食事を摂り、しばらくあれこれ雑談。
”今回のこと、どうぞネタにしちゃって下さい。そのほうが気が楽だし。”
お言葉に甘えて思いっきりネタにしてみました。
『ネタ』とはいえ決して盛っていません、事実のみ。
取り敢えず次にブルベで一緒になる機会は7月23日の『BRM723静岡600㎞(軽井沢)』で、それまでに出来れば『しぞーかマダム捕獲&三島コロッケ堪能ツーリング』をやりたいねえ、という話で盛り上がって3時半頃解散。
とんでもなく濃厚で濃密な経験ができた週末でしたwww
<教訓>
・ブルベ中、眠くなったら即仮眠。
・距離の短いブルベでも防災シートを必ず携行しよう。
・眠眠打破に過剰な期待は禁物。
挨拶がわりに気が向いたら押してやってください。

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【走行距離】
302.8km(ルートラボ計測)+9.8km(ゴール⇒ゴール受付)
+45.8㎞(自宅⇒スタート+ゴール受付⇒自宅)
【走行経路】 往路:http://yj.pn/H-vXXf 復路:http://yj.pn/IME0t6
<あざみ野>⇒K57他⇒道志みち(R413)⇒<山中湖>⇒旧鎌倉往還(R138)・富士パノラマライン(R139)⇒<本栖湖>⇒本栖みち(R300)⇒K10⇒
<内船(折り返し点)>
⇒K10⇒R300⇒<本栖湖>⇒R139・R138⇒ <山中湖>⇒R413⇒K57他⇒<あざみ野>
【獲得標高】 往路:2,010m/復路:1,947m
【総所要時間】 18時間5分(公式記録は18:01)+50分+2時間20分
【平均時速】(走行距離/総所要時間) 16.7㎞/h(スタート⇒ゴール)
【車種、車名】 炭ロード/PinarelloFP3(2010)
【日時】 2011年4月2日(日)
【天候】 快晴
【感想】
わたしの人生におけるブルベ第二弾。
本来なら3月26日に千葉で400㎞のそれに参加していたはずなのだけれど、震災の影響で開催が4月29日にずれ込んだので今回が二回目。
1月に200㎞を走って今回が300㎞、次回が400㎞なので順番にステップアップする形となり、千葉の延期はむしろ丁度良かったのかも知れない。
前日、4月1日は新年度の会社方針説明会⇒懇親会という流れで当然ながらアルコール摂取。
”深酒は避ける!”と心に誓ってほろ酔い程度で帰宅したものの、案の定飲み足りなくなり自宅で呑み始め。
ふと目を覚ませば時刻は3時45分になろうというところ。
今回、周辺には丁度良い駐車場が無かったことと、自宅からの距離が25㎞弱程だったので自走でスタート地点まで向かう心づもりでいた。
受付開始は5時、ブリーフィング(競技内容説明)が5時半、スタートが6時。
信号のある一般道で片道25㎞ならば1時間強の所要時間を見込まなければちょっときつい。加えて万が一迷子になったりしてしまったときのことを考え、3時半過ぎには出発したかったのに既に目覚めた時点で過ぎてるし。
それでも準備自体はなんと(!)昨夜のうちに済ませてあったので、慌ただしく着替えを済ませて自宅を出発したのが4時10分頃のことで、若干(ってかかなり)焦り気味でペダルを回す。
これから300㎞走ろうというのに要らん事で脚を消耗してどうするよ、おれ。
ともあれ迷子になることもなく5時10分頃には無事スタート地点に到着。
今回、けーこ女史も同じBRMにエントリーしているとのことだったので赤いフレームのチャリを探してそれらしいものを発見、そばに立っていたけーこ女史を確認し、受付を済ませてから近づいて挨拶。
実に数年ぶりの再会になる。
しばし雑談を交わし、ブリーフィングに参加。
スタート時の混雑緩和のために1~3のグループに分けて10分刻みのウェーブスタートとなる。
わたしとけーこ女史は共にグループ1、車検(装備品チェック)を済ませて6時55分頃スタート。
お互い相手の走力を把握出来ていなかったので、ペースが合わなければ単独行動とすることにしてまずはわたしが先行して走行。
スタートから1PC(第一チェックポイント)まではあまり集団がバラケなかったので、それについて行けば特に気を遣わずともコースミスの心配が少ない。
細かく右左折を繰り返して街中を抜け、獲得標高(どのくらい坂を登ったかの指標)が往復で4,000m弱となる今回のコースのとっかかりである道志みちに入る。ここまで来たら後は概ね迷いようがない。
常日頃から登り坂を不得手としているわたしがもたもたよたよた坂道を進んでいる脇を”お先にぃ♪”と軽快に登ってゆくけーこ女史。
日頃から”登り坂が好き♪”と公言していらっしゃる事を裏付けるように『水を得た魚』ならぬ『坂を得たけーこ』的にさくさく先行していってあれよあれよという間に視界から去っていった。
やっぱり登りは体重あるときついよなあ…自身の斤量が恨めしい。
道志みちに入ってしばらく走ると『R413最高地点』の標識が。

”こんなに早くピークがある道だったかな?”といぶかったものの、ここは『神奈川県内最高地点』なのだと思い至った。道志みちって大半の区間が山梨県だし。
がっでむ!ぬか喜びさせやがってぇ!!←八つ当たり風味。
延々続く登り坂をひたすら進んでいたら、後方から結構な速度で追い越していったチャリの集団。
バイクの種類からみてトラの練習会のようだったけれど、後方から自動車が近づいて来ているのに平然と並走していたりしてマナーが悪い。なんぼ速く走れたってあれではなあ。
道志村に入り、両国屋食堂目の前のヘアピンカーブでギアチェンジの際にチェーンが外れた。
もたもたと復旧作業をしていたら、店先で日向ぼっこ(?)していた爺さんに声を掛けられる。
”どこまで行くんかねぇ?”
”山中湖から本栖湖を抜けて身延の先まで行って戻って来ます。”
”頑張ってなあ。”
”ありがとうございます。”
こう言うのはホント、気分が良い。
再び登り始めると、目の前には何故かけーこ女史が。
聞けば足が痙攣してしまってしばらく止まっていたとのことで、ひとまず落ち着いたので再出発したのだという。

走行中、背後から撮影。ある意味(否、そのまんま)盗撮www
1PC

ところどころにまだ雪の残る道志みち後半部のひたすらキツイ登りを超えて、山中湖に向けて緩やかに下る。
目の前にまだまだ真っ白に雪を戴いた富嶽を眺めつつ。天候は申し分なく、非常に気分がよい。


山中湖畔にて。
富士パノラマライン(R139)沿いの2PCで休憩中、けーこ女史が15分遅れほどで到着。
登り坂は遅くとも、体重の利がある下りは速いわたしwww
”気にしないで先に行っちゃって下さい。”とのお言葉に甘え、先行して出発。

途中、『道の駅鳴沢』に立ち寄り『富士桜ソフトクリーム』をいただく。
河口湖から本栖湖まではだらだらした登りが続くのでしんどい。
いや、だらだらしていなくても登りはしんどいわ、マジで。
本栖交差点を右折して本栖みち(R300)に入り、本栖湖畔北側を抜ける。

本栖湖畔からの富嶽。
道端で撮影していたら後ろからけーこ女史合流。
軽く雑談の後、再びわたしが先行して走りだす。
中の倉トンネルを越えると平均斜度5~6%の急な下り坂。
大好きな下り坂を快調に飛ばしたのは良かったが、どうにか事無きを得たものの途中オーバースピードで曲がりきれなくなりそうになって一回、うっかり後輪ブレーキを強く握りすぎてロックさせてしまって後輪がスライドし、コントロールを失いかけて肝を冷やした。
途中、トイレを利用しに『道の駅しもべ』に立ち寄ったところ『味噌アイス』の看板が目についたので買ってみた。

ソフトクリームではなくカップアイス。
最初のうちは普通にアイスなのだけれど、鼻腔に抜ける香りと後味はまさに味噌。
甘すぎない味わいと風味が意外なほど良く合う逸品。
坂を下りきると突き当たりには冨士川。
左岸を身延方面に向かって南下し、内船のヤマザキデイリーストアで折り返しするのが今回のコース。
つぼみがほころび始めた桜並木の脇を時折うぐいすの鳴き声を聞きつつ走る。
気温は20℃を超えていて、衣類は春先用の装備なので暖かいというよりむしろ暑い。

冨士川左岸。
桜がほころび始め、日当たり等の加減によっては五分咲きくらいの樹もある。
川沿いの道のクセに想像以上にアップダウンの多いコースに辟易としつつ3PC(今回の折り返し点)に到着。
わたしが道の駅でアイスに舌鼓を打っていた間に追い越して行ったけーこ女史が”あれ?先に行ったはずじゃ無かった?”
味噌アイスの事を教えて”時間に余裕があったら是非試してみるべきですっ!!”と力説(wしてみたたものの”体力が心配だから今回は寄り道しないでまっすぐゴールを目指します。”とのことで先に出発なさいました。
けーこ女史を見送ってからしばらく水分やエネルギーの補給をし、ストレッチなんぞしてからおもむろに復路スタート。
下りで速度が出すぎてコントロールを失いかけるような急坂を今度はひたすら登らなければならないのである、嗚呼。
進んでも進んでも目の前に現れる坂、坂、坂。
見通しのよい場所で自分の通って来た道を見下ろすと”こんなに登ったのか…。”と感慨深く感じる反面、見上げるといくつも折り重なるようにして上方に続く斜めのガードレールが視界に飛び込みがっつり凹む。
進行方向なんか見あげなきゃ良かった。
そんな急勾配もあと数キロで終わるという地点で、いきなり右太もも内側に違和感が生じ、あっという間に痙攣を始めて痛いの何の。
膝を伸ばす時はどうにかなるものの、ペダルを回して膝を曲げる段になると痛む。
左手で右太ももを掴むようにしてマッサージすると幾分痙攣と痛みが緩和されるのでバランスを崩さないよう気をつけつつ右手でハンドルを押さえ、左手で右足をマッサージ。
中の倉トンネルが見えたときにはほっとして涙出そうになったし。
トンネルを抜けると、丁度そこで休憩中だったけーこ女史に声を掛けられた。
聞けば彼女も午前中に起こった痙攣が左脚の同じところだったそうである。
ポカリスエットを飲んで解消できたそうなので電解質不足っぽい。
しばしの雑談の後、暗くならない内に青木ヶ原樹海を抜けたいというけーこ女史の意向を踏まえて出発。
まずはけーこ女史が先行”遅かったら遠慮無く抜いていって下さい。”
途中で先行を入れ替わり、わたしが引くことに。
復路途中のPCは山中湖畔の一箇所のみなのでひとまずそこを目指していたけれど、後方から”眠くてどうしようもない、コンビニに寄って『眠眠打破』買う。”とけーこ女史。
わたしの方も持参したスポーツドリンクが切れてしまい、電解質を補給したかったので樹海を抜けて最初のローソンに立ち寄り小休止の後出発。
R139からR138に入り、道幅が狭くなった緩やかな登り坂を走行中のこと。
後方から”うひゃぁ!!”という悲鳴が聞こえ、慌てて振り向いたら縁石越しに歩道側に倒れこんでいたけーこ女史の姿が。
”ついうとうとして、ふらついたら縁石に接触しちゃった。”
眠眠打破ってば、まるで役立たずじゃねーか。
ケガらしいケガもなく、チャリもキズはついていたもののチェーンが外れてしまった以外のダメージはなさそうだったので再スタート。
道志みちに入るところで一人追い越し、そのままわたしが先行でわたし-けーこ女史-もうひとりという順で山中湖畔を4PCに向けて走る。
時々後ろで声がしたのでその都度振り返ってみたけれど、特に転倒とかしている風でもなかったのでそのまま進行。
4PC直前の信号待ちの際、後尾にいた男性が近づいてきて”あなたのお連れさん、眠気でふらついてて危ないよ。ひどく蛇行してセンターライン越えちゃったりしてる。”
なんてこったい。本格的に眠眠打破無意味じゃんか。
4PCにてしばし相談。
どこかで休憩して行くか、強行するか。
先ほど忠告して下さった御仁も結構眠いらしく、軽く日帰り温泉で仮眠を取ってから再スタートすると語っていたが、けーこ女史にはひとまず仮眠の意思無しだったのでそのまま再スタートすることに。
後方で転倒されて気づかなかったりすると困るので今度はけーこ女史を先行させ、わたしが後方から安全確認。
確かに右に左にふらついていて危なっかしくみえたものの、声を掛けると”ん~~~。大丈夫だと思う。”との返事。
しばらく黙って後方を走っていたら、後方から追い越しを掛けてきた乗用車の方にふらふら近づいていって危うく接触事故をl起こしかけ、対向車が来たのにセンターラインを割りそうになってあわや正面衝突しかけたり、危なっかしいを通り越して見ていて恐怖。
どこかで小休止出来れば良いが、なにせ山道。
取り敢えずはわたしが並走してセンターラインを越えないよう注意を促し、後方から自動車が近づいたら声をかけるようにしてだましだまし走行。
それでもわたしに接触しそうなくらいに右に寄って来たので”もっと左に寄らなきゃ!!”と声をかけたらするするっと左に進路を変え、そのまま斜めに進んでいってしまった。
”おい!おい!!おい!!!おいぃぃぃ!!!!”
わたしが叫んだ瞬間、けーこ女史は視界から消えた。
小さな川に架かる橋の欄干と、その脇に立つ石灯籠の間の1mに満たない隙間に突っ込んで落下。
落ちた先がたまたま雪溜りの山になっていて、顔面から突っ込んだらしいけーこ女史に打撲と擦過傷以外の大きなケガはなさそうで、彼女の愛車はというと雪溜りの脇に生えていた樹の枝にホイールが引っかかって雪溜りの上に直立した状態。
橋の下からは”顔から突っ込んじゃったけど骨とかには異状なさそう…。”と、けーこ女史。
後から冷静に振り返るとこの上なくシュールで笑える絵なのだけれど、その瞬間はそれどころじゃなかった。そりゃ当たり前だ。
不幸中の幸い(?)は落ちた時も、上がって来た時も誰も通りかからなかったことか。
けれどもそれは無事だったからこそ思うことで、もし単独事故だったりしたら、もし打撲や擦過傷以外の大怪我を負っていたら、もしチャリに自走不可能なダメージがあったら…と考えると非常に怖い。
基本的にサポート類は一切無し、完全に自己責任で競技を遂行するのがブルベだけれど、往路の本栖みちで若干肝を冷やしたことも併せて『自己責任』の重さを改めて認識。
引き返して日帰り温泉で休憩していくかどうか確認してみたところ
”もう、さすがにこの顔のケガの痛みで目ぇ覚めたわ…。”
とのことだったのでけーこ女史に再び先行してもらい、とにかくゆっくり進むことに。
時間的なマージンはまだまだ充分ある。
しばらくは確かに眠気も引いていたのだろう。
どうにかこうにか進んでいたものの、しばらくすると再び蛇行し始めたので後ろから頻繁に”左に寄って!”、”右に戻して!”、”後ろから車!”、”対向車来るよ!”と声をかけた。
対向車をやり過ごすこと数度の後
”どうしても右に寄りすぎな傾向あるけど対向車来たときはホント気をつけてくださいよ、んでも左に寄りすぎて溝にハマってもしゃれにならないけど…って、おい!おい!!おいぃぃぃ!!!!”
マジかよ、注意した途端に溝に突っ込んだぞ、コレがおれの『言霊』の力か!?←違うと思う。
っていうか、こっちも驚きのあまり危うく転倒しそうになりつつ停車して駆け寄る。
”ケガ無いですか?”←聞き方悪いよな、ケガが無いわけねぇもん。
”ごめんなさいねぇ。どーしよ、こんなんじゃ愛想つかされて二度と一緒に走ってもらえなくなっちゃう。”
いや、あの…気にするトコそこっすか?
幸いにして今回も打撲以外のケガはなさそうで、チャリの方も大きなダメージは無さそうに見える。
”どっかで仮眠取らなきゃだめっすね。”
”そこの草むらで寝てく。”
…え?
いくら何でもそりゃまずかろうよ。
結局、けーこ女史はしばらく走った先の両国屋の自販機脇で座って休んでいく事に。
わたしのチャリのチェーンが外れ、けーこ女史の足が痙攣を起こした、何かと因縁深い食堂である。
取り敢えず再スタート時にはメールを送信するよう依頼して、わたしが単独で先行。
万が一メールが来なかったら何か手立てを考えて回収に向かえばいいし。
残り50㎞程の距離を走って、ゴール地点に到着したのが丁度24時頃。
到着時刻を証明するコンビニのレシートの時刻刻印は0:01だった。
6:00スタートの1組だったので認定時間は18時間01分。
色々あった割にはまぁ悪くない数字だと思う。
ゴール地点から10㎞ほど離れたジョナサンが今回のゴール受付会場で、到着したのが1時近く。
携帯を確認したら、0:43付けでけーこ女史からゴールに到着した旨メールの着信あり。
ブルベカードを提出し、遅い夕食(っていうか夜食だな)を結構ガッツりしたため、けーこ女史の到着を待つ。
のんびりコーヒーをすすっていたらけーこ女史到着。
アレだけ激しいクラッシュを二回も続けた割にはきちんと制限時間内にゴールしてしまう辺りが素晴らしい。賞賛に値しますよ、掛け値なしにwww
けーこ女史も食事を摂り、しばらくあれこれ雑談。
”今回のこと、どうぞネタにしちゃって下さい。そのほうが気が楽だし。”
お言葉に甘えて思いっきりネタにしてみました。
『ネタ』とはいえ決して盛っていません、事実のみ。
取り敢えず次にブルベで一緒になる機会は7月23日の『BRM723静岡600㎞(軽井沢)』で、それまでに出来れば『しぞーかマダム捕獲&三島コロッケ堪能ツーリング』をやりたいねえ、という話で盛り上がって3時半頃解散。
とんでもなく濃厚で濃密な経験ができた週末でしたwww
<教訓>
・ブルベ中、眠くなったら即仮眠。
・距離の短いブルベでも防災シートを必ず携行しよう。
・眠眠打破に過剰な期待は禁物。
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